SUPER GTをはじめ、様々なモータースポーツで活躍するレーシングドライバーたち。最高スピードが時速300kmに達する極限の世界で戦っていますが、レース中は何を考えているのか?レーシングドライバーならではのルーティーンなどはあるのか?普段の運転もスピードを出すのか……? 疑問は尽きません。
ファンの方や、関係者、ARTA GALSから寄せられた「レーシングドライバーに聞いてみたい素朴な疑問」を募集。ARTAの各メンバーに答えてもらうことに。
前回は鈴木亜久里監督と土屋圭市エグゼクティブアドバイザー編でしたが、今回はARTAレーシングドライバーの野尻智紀、福住仁嶺、高木真一、佐藤蓮編です。
Q:好きなサーキットはどこですか?
高木真一:好きなサーキットは……富士ですね!やっぱり広くて安全ですし、思い切って攻められますよね。
佐藤蓮:僕はオートポリスが好きですね。多分、日本の中で一番チャレンジングなコースだと思います。絶え間なくコーナーが続いているので、ドライバーとして攻めているなぁという感じです。あと、右コーナーだけが嫌いなんですよね。左コーナーだけ0.2秒くらい速いんですね。
野尻智紀:それ、何かズレてるんじゃないの?
佐藤蓮:どうなんでしょうね。SUGOのSPコーナーとか富士のコカ・コーラコーナーとかはめっちゃ速いんですよ。
福住仁嶺:でも、この前(スーパーフォーミュラ・ライツで)SPコーナーでスピンしていたじゃない?
佐藤蓮:調子が上がりすぎたのかもしれません……。
野尻智紀:だから、左コーナーが得意だから、そこで稼がなきゃって思って、左コーナーで攻めすぎちゃうタイプだよね。
佐藤蓮:そうですね。(SUGOの)馬の背コーナーとかでは絶対に飛び出さないですね。
野尻智紀:そうだよ、鈴鹿サーキットレーシングスクール(野尻はそこで講師を務めている)でスプーンでコースアウトしていたもんね!
佐藤蓮:(苦笑)
高木真一:ハコ車だったら(運転席の位置などで)左右差はあるけど、今の話を聞いているとフォーミュラじゃん?それ、本気の悩みじゃん?
佐藤蓮:なんか、気にするようになりだしたのは、今年からなんですけどね……。
高木真一:そういうのはダメだよ。無くしなさい!
佐藤蓮:いや、遅くはないんですけど、なんか苦手というだけです(苦笑)
野尻智紀:好きなサーキットですか……ないなぁ。サーキットという括りでいくと難しいですね。どのコースにも絶対に嫌いなコーナーがありますからね。なんか(好きなコーナーが)全部つながればいいなとは思いますね(笑)
福住仁嶺:僕も(好きなサーキットは)ないですね。野尻さんとの答えと同じというわけではないですけど、僕はどこもセクター1が遅いんですよね。
野尻智紀:あれだよ。セクター1で頑張りすぎちゃうと(その後で)崩壊しちゃうから、セクター1はそこそこでいいんだよ!
福住仁嶺:セクター1を赤(全体ベストタイム)で帰ってきたことがないんですよね。あとは、どこが好きか……分からないですね。SUGOもあんなに嫌いと思っていたら勝っちゃいましたし。
野尻智紀:あれ、もてぎは?
福住仁嶺:もてぎはなんだかんだで相性が良いですし……あまり疲れないサーキットが好きですね。
野尻智紀:え、もてぎって疲れない?
福住仁嶺:いや、疲れないですね。鈴鹿はヘトヘトになりますけど。
野尻智紀:そうなんだ……僕は鈴鹿の方が楽だな。
一同:笑
野尻智紀:まぁでも、レース展開によるよね。
福住仁嶺:そうですね!あとは、バルセロナ(スペインにあるカタロニアサーキット)ですね。
高木真一:なんで?
福住仁嶺:理由としては相性が良いからですね。それだけです。
福住仁嶺 着用商品
Q:普段の運転でテクニックやコツがあれば教えてください
野尻智紀:僕が気にしているのは、周りに迷惑をかけないことですね。例えば、東京って道が複雑じゃないですか。そこで走っていると、その車線が急に右折専用レーンとかになったりすることがあります。そこで急に直進の車線に行くために進路変更をするんじゃなくて『しょうがない、右に行こう』ってしますね。
野尻智紀:『ここで曲がりたかった!』って、急にブレーキ踏む人とかいるじゃないですか。そういうのをしないように運転しています。
福住仁嶺:でも、今のとかも全く気にしない人っていますよね。
野尻智紀:いる!そういう人とは……友達になりたくないな(苦笑)
あとは、周りの車の動きもみて、『この人はこっちの車線に入りたそうにしているな』というのに気づいたら、少しスペースを作って入ってもらうようにします。でも、そこでハザードとか出されなかったら、ちょっとイラっとしますね。
一同:笑
“そういえば、SUPER GTの車両にもハザードのボタンが付いているんですよね?”
福住仁嶺:そうですね。GT500はどのメーカーもステアリングについていますね。
高木真一:でも、GT300はステアリングから離れたところに付いていて、目線を動かさないと押せないんですよ。けっこう大変です。
野尻智紀:そういえば、たまに55号車を抜くとパッシングしてくる人がいるんですけど……。
高木真一:それ、僕だな。
一同:爆笑
野尻智紀:あ、あれ高木さんだったんですか!?
佐藤蓮:それはなんでですか?
福住仁嶺:どういう意味のパッシングですか?
高木真一:(8号車が)ハザードをつけてくれたから。
福住仁嶺:『ありがとう』って意味なんですね!
高木真一:そんな(レース中の緊迫した場面とか)変な時はしないよ。余裕がある時だけ。練習走行とかね。
野尻智紀:なるほど……てっきり蓮かと思った。
一同:笑
Related Products
野尻智紀 着用商品