2021.9.17

2021.9.17

この失敗を、成長の糧に……

2021年のSUPER GT第5戦SUGO。8号車ARTA NSX-GTは“今度こそ勝利を”という意気込みで臨んだ東北での1戦。その想いは叶わず、今回も悔しさが残る結果となった。

わずか3週間のインターバルで、マシンセッティングを徹底的に見直し

前回の鈴鹿大会での敗北から、マシンのパフォーマンス改善に焦点を定め、チーム・ドライバーともに徹底的にマシンを見つめ直してきた。その先頭に立ったのが、エースとしてチームを牽引する野尻智紀だ。

「クルマのセッティングのことをイチから見直してきました。例えば、このセッティングをこういうふうにすると、クルマがこういうふうに動くとか、SUGOで例えるとこのコーナーでこういう走りをすると、こっちのコーナーも同じ動きになるとか……。それこそドライバーが考えるSUGOの攻略法みたいなのも、エンジニアさんたちに共有させていただいた時もありました。それが“僕たちが走りやすくて、SUGOで速い”というクルマを作るために必要なことだったのかなと思います」(野尻智紀)

もう一度、過去のデータひとつひとつに目を通し、それに対する効果から長所・短所にいたるまで、全て洗い出してきた。これを鈴鹿大会からの3週間でこなすのは決して容易なことではないが、勝利のために全員が可能な限りの時間をかけて、SUGOに向けたマシン作りに臨んだ。

そして福住仁嶺も、よりストイックになって今大会に向けた準備を進めてきた。

「僕自身もクルマのことを理解しながら、コミュニケーションの面で『もっと効率よくできる方法はないか』『チームのためにできることはないのか』そういった細かいところも、自分なりに考えながら、今回に臨みました。その中で僕も分からないことがあったので、積極的に聞いたり、エンジニアのライアンさんと話す機会も増やして、ひとつひとつの行いを大事にしてきました」(福住仁嶺)

その努力が、早速土曜日の予選になって効果を発揮する。朝の公式練習でトップタイムを記録すると、0.001秒を争う接戦となった予選Q1でも4番手で通過。Q2では福住仁嶺が唯一の1分09秒台となる1分09秒887を叩き出し、今季初のポールポジションを獲得。ピットのムードも一気に明るくなった。

途中まで独走をみせるも……

迎えた日曜日の決勝レース。もちろん、ポールポジションで満足することなく、チームは“優勝”を目指して、再び気を引き締めた。

今回のスタートドライバーは野尻智紀が担当。序盤から順調に後続を引き離していき、16周目には20.5秒にまで差を広げ、一歩ずつ勝利に近づいていった。しかし……。

31周目にピットインし、福住仁嶺にドライバー交代。順調に後半スティントに向かったかに思われたが、ピットストップ時に作業違反があり、ドライブスルーペナルティを受けることに。それが引き金となり、複数回のピットインをすることになってしまい、終わってみればトップから2周遅れの10位という結果になった。

レース後のピットは、予想だにしなかった結末に、その雰囲気はどんよりとしたものになっていた。それでも、ドライバーたちは“ここで腐ってはいけない”と前を向こうとしていた。

「恥ずかしい話ですけど、これが今の僕たちです。何をしたら、このチームが本当に良くなるのか、僕だけの考え方だけではなくて、チームに合ったやり方もあるはずです。そういったところも考えながら、本当の意味でチャンピオンを争えるようなところまで、チームを持っていく必要があるなと強く感じました」(野尻智紀)

「レースというのはチーム全員でやっていることです。今回の失敗・問題に対して、みんなが自信を失わないようにしないといけません。次もレースがやってくるので、みんながちゃんとしたパフォーマンスを出せるように、僕たちドライバーも努力していかないといけないです。みんなで気持ちを強く持って、オートポリスに行きたいなと思います」(福住仁嶺)

レースに負けた時、失敗をした時こそ、そこから学ぶべきものがある。そこから目を背けずに、真剣に向き合って解決策につなげていく。それを繰り返していくことで、一歩ずつ勝利に近づいていく……。

野尻智紀、福住仁嶺ともにレース直後は、話しかけるのも戸惑うほど落ち込んでいる様子もあったが、“こういう時こそ大事なこと”を忘れてはいけないと再確認し、次なる挑戦に向かうべく、サーキットを後にした。

Related Products

関連商品

シェア:

Related Article

関連記事