“ポールポジション”という、もうひとつの称号 | ARTA

2021.3.16

2021.3.16

“ポールポジション”という、もうひとつの称号

決勝レースでのスタートグリッドを決めるために行われる予選。そこで1位に対して贈られる称号、それが「ポールポジション」だ。

もうひとつの主役“ポールポジション

長い距離を争って勝敗を決めるレースとは違い、コース1周のタイムでポジションが争われるため、純粋に“速さ”が試される。特に今のSUPER GTはGT500・GT300ともにハイレベルかつ拮抗した戦いが繰り広げられているため、数多くのライバルに競り勝ってポールポジションを勝ち取るというのは至難の技となっている。

基本的に各大会の最終結果は決勝レースで決まるため、予選結果がそのままレース結果に繋がるとは言い切れないのだが、決勝レースの前日に行われ、そこでトップを奪った者にはサーキットに詰めかけた全てのファンが注目。毎回予選が終わるとポールポジションを獲得したチームやドライバーに惜しみない拍手が贈られ、カメラマンをはじめ報道陣も集まって記念撮影が始まるなど、ポールポジションだから味わえる脚光を浴びる。

さらにSUPER GTでは、決勝レース前のスタート進行では、両クラスのポールポジション車両が最後にコースインすることになっている。ゆっくりと1周走って、前日の予選で競り勝ったライバルが停車している間を通過して、一番前のグリッド「ポールポジション」につく。この時、各コーナーの観客席はもちろんのこと、グランドスタンドに詰めかけたファンからは惜しみない拍手が贈られ、多くのファンの視線が、そのマシンに注がれる。決勝で優勝するのとは別に“もうひとつの主役”となれる、それが“ポールポジション”なのだ。

2020シーズン、3度のポールポジションに輝いた8号車ARTA NSX-GT

2020シーズン、そのポールポジションの座をどのチームよりも多く獲得したのが8号車ARTA NSX-GTだ。第2戦富士では野尻智紀、第5戦富士と第6戦鈴鹿では福住仁嶺がQ2を担当。コーナーでは時より火花を散らし、縁石いっぱいまで攻め込むドライビングをみせ、ライバルを圧倒する驚速ラップを刻んだ。

SUPER GTでは、2段階のノックアウト方式が採用されており、第1段階となるQ1ではQ2とは別のドライバーが担当しなければならない。つまり、2人のドライバーが限られた時間の中で最高のパフォーマンスを発揮し、ライバルに打ち勝つ速さをみせなければならない。だが、2020年の8号車は野尻・福住ともにそれがしっかりと出来ていたため、これだけのポールポジションを獲得することができ、シーズンの躍進につながった。

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