2020年ARTAハイライト レース編 | ARTA

2021.3.9

2021.3.9

2020年ARTAハイライト レース編

2020年のSUPER GTは、関係者のみならず、ファンにとっても特別なシーズンとなった。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、開幕が急きょ延期になった。

シリーズを運営するGTアソシエイションは、感染防止対策のロードマップおよびガイドラインを策定し、長距離移動による関係者の感染リスク低減のた、開催サーキットを3つ(富士スピードウェイ、鈴鹿サーキット、ツインリンクもてぎ)に絞った変則スケジュールを組み、前半の4大会は無観客開催にするなど、いつもとは違う開催内容となった。

コロナ禍で様々な制限が設けられる1年となったが、ARTAはGT500クラスの8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)とGT300クラスの55号車ARTA NSX GT300(高木真一/大湯都史樹)の2台が参戦し、例年以上に熱い走りをみせた。

GT500:諦めずに挑み続け、掴み取った勝利

2019年にGT300クラスでチャンピオンを獲得した福住仁嶺が加入した8号車は、開幕戦からトップ争いに加わる速さを披露するも、なかなか歯車が噛み合わないレースが続いた。

第2戦富士ではポールポジションからスタートし、途中のピット作業を終えてトップに立つも、痛恨のスピンを喫してしまい大きく順位を後退。第3戦鈴鹿と第4戦もてぎでは上位争いを繰り広げている中でライバルとの接触がありリタイア。

トップ争いができる速さはあるのに、結果が出ない……。非常に苦しい時間を過ごしたのだが、それでも野尻、福住をはじめ、チーム全員は諦めなかった。

第5戦富士、第6戦鈴鹿ともに予選ポールポジションを獲得すると、決勝ではトラブルやアクシデントに巻き込まれることなく、粘り強いレースを見せ、ともに3位表彰台を獲得した。

そして迎えた第7戦もてぎ。予選では同じNSX-GTを使う64号車にポールポジションを奪われるも、決勝では序盤から素晴らしい走りをみせた野尻が逆転を果たしトップに浮上した。後半は福住が安定したドライビングをみせて、2位以下に46秒もの大差をつけて、待望のシーズン初勝利を飾った。

開幕戦から速さを見せながらも結果が出ない悔しさ・苦しさに耐え抜いて、ついにトップの座を掴み取った8号車。これがGT500クラス初優勝となった福住は、パルクフェルメで人目をはばからずに号泣。野尻は満面の笑みで喜びを爆発させていた。

最終的にドライバーズランキング5位、チームランキング7位で2020シーズンを終了した8号車。終盤戦でようやく歓喜に包まれたチームだったが、彼らの挑戦はこれで終わりではない。2021シーズンはシリーズチャンピオン獲得を目標に、さらなる高みを目指していく。

GT300:数々の困難にも動じず、粘り強い戦いぶりを披露

2019年にGT300チャンピオンとなった55号車ARTA NSX GT3。2020年は高木真一の新パートナーとして若手注目株の1人である大湯都史樹が加入し、シーズンに臨んだ。

第3戦鈴鹿では他車との接触があり、ノーポイントに終わってしまったものの、富士スピードウェイを舞台にした第2戦と第5戦では表彰台を獲得。コンスタントにポイントを積み重ね、シリーズチャンピオンも狙える位置につけていた。

しかし、チャンピオン争いに向けて大事な終盤戦を迎えようというところで、高木が別のレースに出場中にアクシデントに遭い、右手首と腰椎骨折の重傷。残り2戦の欠場を余儀なくされた。これにより、急きょ松下信治を代役として起用。SUPER GTのレースは未経験だったが、いきなりの順応性をみせて第7戦もてぎは8位入賞を果たした。

最終戦富士では予選日にエンジントラブルに見舞われてしまったが、メカニックが深夜まで作業し、決勝レースのグリッドについた。GT300クラスの29番グリッドからのスタートだったが、大湯と松下、そしてチーム全員が最後まで諦めずに闘い続け、7位入賞を飾った。

最終的に大湯がドライバーズランキングで4位、チームランキングも4位とチャンピオンに手は届かなかったが、2021シーズンへのリベンジに勢いをつけるレース内容となった。

迎える2021シーズン、GT500の8号車は野尻と福住のコンビで変わらず。GT300クラスの55号車は高木が怪我から復帰し、新たに佐藤蓮がチームに加入する。2台とも狙うは「シリーズチャンピオン」。今季も力強く闘うARTAに、ご期待いただきたい。

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