2021.1.20

2021.1.20

スーパーGT基礎知識 ピット作業

チームの腕が問われるピットストップ

今回は、頑張る裏方がヒーローになる瞬間、ピット作業について触れたいと思います。レース中に1秒のギャップをコース上で稼ぐのは至難の業。それでも頑張ってくれるのがプロドライバーではありますが、ピット作業で逆転!という頭とカラダを使う技もあるんです。

 通常のレース(長距離レース500km以上の場合を除く)では、ひとりのドライバーが3分の2以上走行してはいけないと定められているので、チームの戦略のタイミングでクルマはピットに一旦戻ります。その際に行われるのがピット作業。ピットクルーは最大7名(消火要員1名を除く)で、ドライバー交代、給油、マシンの簡易的なメンテナンス(窓ふき、タイヤカスなど汚れの除去)が素早く行なわれます。

厳しいルールに基づいて行われる作業

具体的に説明すると、チームから無線やサインガードのサインボードなどを通じピットへ戻る指示が出ると、ピットロード(クルマが走行している場所をファストレーンと呼びます)を制限速度50㎞/h以下(超えるとピットロード速度違反)でピット前の作業エリアまで進み停車します。停められたクルマは、必ずエンジンを停止しないといけません。それは、必ず4輪が接地した状態で行われなければならず、エンジンがかかったまま誤ってジャッキアップしてしまうと、ペナルティとなります。

 そのあと、給油が始まりますが、この給油時間内で出来るのはドライバー交代のみです。その際、メカニックはクルマに一切触れずに終わるのを待ちます。その間に素早くドライバー交代。これはドライバーの二人も練習を重ね息の合った作業でスムーズに交代しています。給油時間を超えてももちろん良いので丁寧に素早くというのが原則でしょうか。

 給油が終わった瞬間にタイヤ交換が始まります。この合図はチームによってそれぞれ違いますね。手で肩を叩くチームもありますし、何かしら機械的に合図を送る手段もあります。通常タイヤは4輪交換で行われますが、戦略によっては、2輪のみ、左側のみ、無交換などサーキットの特性や戦略でタイヤ交換のやり方も別れます。

 そのあと、ジャッキから下ろされたクルマは、ドライバー自身がエンジンをかけ、コースイン、レースに復帰します。

 このピット作業で勝負の明暗が分かれるレースも沢山あり、それだけ緊張感を持って行います。ドライビングの次にどうしても見て欲しい裏方が頑張るシーンですね。

ファクトリーで練習することは、どのチームももちろんやっていますが、ARTAの2台のスタッフは、レースウィーク朝いちばんに練習を始めるんです。設営日からレース直前までクルマのメンテナンスが終わると、作業エリアにクルマを出し練習しています。自主練しているメカニックも。クルマが走っていないサーキットに、タイヤ交換をするインパクトレンチの音が響いています。練習する姿を見ていると、あの日々の努力が勝利に結びついてると感じます。テレビに全てが映るわけではありませんが、ぜひ注目して見てください!

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