ARTA SUPER GT500 第8戦 決勝レポート | ARTA

2020.11.29

2020.11.29

ARTA SUPER GT500 第8戦 決勝レポート

チャンピオンに届かなかった悔しさよりも、コロナ禍で応援してくれた皆さんに感謝で一杯

新型コロナウィルスの影響で変則スケジュールとなった今年のSUPER GTだが、ついに最終戦を迎える事になった。#8 ARTA NSX-GTはまだチャンピオンの可能性を残しているものの、予選11番手からのスタートは非常に厳しい。しかし、チームは諦めずに最高の結果を出すべくレースに挑んだ。

スタートは野尻智紀。気温が低いため、3周のフォーメーションラップを行った後にスタートが切られた。

野尻は順位を落とさず11番手で周回を重ねる。タイヤが暖まるまでの間が我慢のしどころだが、10周目にポジションをひとつ上げて10番手を走行。タイヤに熱が入り徐々にペースが上がり始めた野尻は15周目に9番手にポジションアップ。全体の中でも速いラップで周回を重ねトップグループを追う。

チームはタイヤ無交換作戦を敢行出来るか野尻にタイヤの状態を無線で聞いた。野尻はタイヤの状態がどうであろうと無交換しか視野に入れていない、という回答だった。チームは予定通りタイヤ無交換作戦をチョイスし福住仁嶺をコースに送り出した。

6番手でコースに復帰した福住のペースは良く、32周目にはひとつポジションを上げて5番手を走行。途中、6番手に順位を落とすが、すぐに5番手のポジションを取り戻す。タイヤ無交換にも関わらずペースはトップグループと比べても遜色なかったが、トップに追いつく事は難しく5位でレースを終えた。

シーズン序盤はなかなか思うような結果につながらなかったが、終盤戦は3戦連続表彰台や優勝もあり、チャンピオン争いに加わったが、惜しくもチャンピオンには届かなかった。

この悔しさをバネにして来季はチャンピオンを獲得したい。

鈴木亜久里監督のコメント

「まず、チャンピオンを獲得したRAYBRIC NSXにおめでとうと言いたいですね。同じパッケージなので悔しさもありますが、次は我々がチャンピオンを獲れるようにチャレンジして行きたいですね。レースはSCが入る事も想定しながら作戦を練っていたんだけど、タイヤ無交換作戦を取って順位を上げる事が出来たのは良かったね。しかし、そこから先はライバル達も手強いからそう簡単には行かなかった。でも車のバランスも良さそうだし、来年が楽しみになるような最終戦だった。そして、今年は新型コロナウィルスの影響で、前半戦はお客さんにレースを見てもらう事が出来なかったし、岡山、SUGO、オートポリス、タイ、マレーシアの人たちにもレースを見てもらいたかったんだけど、それが出来なかったのは本当に残念。そんな状況ではありましたが、沢山のファンの皆さまから応援のメッセージを頂き、ボク達もエネルギーをもらう事が出来ました。1年間支えて下さったファンの皆さま、協賛各社には心から御礼申し上げます。ありがとうございました。来年は開幕戦からエキサイティングなレースを皆さまにお見せ出来るように頑張りたいと思います。来年も宜しくお願いします」

ライアン・ディングル エンジニアのコメント

「11番手からタイヤ無交換の作戦は大成功だったと思います。野尻選手は序盤、タイヤのウォームアップで苦しんだみたいだけど、ポジションを上げて仁嶺選手につないでくれました。仁嶺はとても速いタイムで走ってくれて車のポテンシャルを引き出してくれました。100号車にはおめでとうと言いたいです。同じパッケージなので悔しい部分もあるけど、後半戦は尻上がりで良くなってきたのでこの良い流れを来年につなげたいです」

野尻智紀選手のコメント

「ボク達の戦略はものすごく攻めたものだったので心配はあったんですが、それを立てたからにはそれを信じて敢行するしかなかったし、順位も上げる事が出来てよかったと思っています。そういった事もありながら、今年1年色々な方々のサポートを受けてレースを戦う事が出来ました。悔しさがとても大きいですが、感謝の気持ちの方が大きいです。1年間ありがとうございました」

福住仁嶺選手のコメント

「レース前には色々な作戦を考えて、結果的にタイヤ無交換という戦略で行く事を決めました。前半は野尻選手が頑張ってくれて、後半のスティントで無交換が功を奏して順位を上げる事が出来ました。そこから後ろから速い車も迫ってきて難しいレース展開になりましたが、無交換の割には大きなタイムの落ち込みもなく、最後まで順位を死守する事が出来ました。同じパッケージの100号車が優勝、チャンピオンを獲った事が悔しくて、優勝やチャンピオン以外は皆同じだと思っているので、自分としては全然嬉しくないし、今は悔しくてたまりません。でも、今後も諦めずに頑張っていきたいと思っています」

シェア:

Related Article

関連記事