無線トラブルで手痛いペナルティ、次戦に向けてすべてを再構築
今朝のオートポリスの気温は非常に低く、時折、口から吐く息が見えるほどだ。チームはスタート前に行われるウォームアップ走行に合わせ、車を準備した。ウォームアップでは、1周通しての計測は行わなかったが、セクタータイムはトップと同じタイムを記録している。車のバランスは良さそうだ。
スタートドライバーは松下信治選手。パレードラップ、フォーメーションラップのあと、スタートは切られた。松下選手はクリーンなスタートを切ったが、1周目の最終コーナー手前でバランスを崩してしまい、最後尾まで順位を落としてしまう。
トップから最後尾まで、全車ほぼ同じラップタイムで周回を重ねていく。前車を抜くにはなかなか難しい状況だ。
22周目に500クラス車両がコースアウトしてしまい、FCYが導入される。FCY中はピットがクローズになり、入ってきてしまうとペナルティを受けてしまう。FCYが出る前にサインボードでルーティンのピットインのサインを出したが、次の周に松下選手がピット入ろうとしたので、無線で入らないように指示を出したが、松下選手はピットに入ってきてしまう。無線トラブルのようだ。チームは作業をせず、そのままコースに復帰させた。
FCYは解除され、SC導入に変わった。車両回収が終わり、28周目にリスタートが切られた。#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTは30周目にルーティンのピットインを行い、野尻智紀選手に交代。アウトラップで無線のチェックを行ったが、車両とピットの無線はつながっていないようだ。野尻選手は14番手でコースに復帰したが、36周目には予選のポジションであった11番手までポジションを戻した。
37周目に500クラス同士の接触があり、1台がコースアウト。SCが導入される。この時点で10番手を走行。
42周目にリスタートが切られた。しかし、先ほどのFCY導入中のピットインに対してペナルティが出てしまい、60秒のピットストップが課せられてしまった。44周目にペナルティを消化し、コースへ復帰。野尻選手は13番手。
61周目に他車がコースアウト。再度、SCが導入される。車両の回収が終わり、67周目にリスタートが切られた。
野尻選手は71周目にルーティンのピットインを行い松下選手に交代。12番手でコースに復帰。
86周目に300クラスの車両がクラッシュ、FCYが導入、その後にSCに切り替わった。車両回収に時間がかかり、SC導入のまま、チェッカーフラッグが降られた。
惜しくもポイント獲得とはならなかったが、終盤の好ペースは次につながるレースになったと言える。
チャンピオン獲得は難しくなったが、残り2レースで良いレース、結果を残したい。
鈴木亜久里監督のコメント
「なかなか上手くいかないね。予選はダメだったけど、決勝に向けた車の仕上がりは良かったのに、結果につながらなかったね。色々な事があったレースだったけど、何かあった時の対処法の引き出しをもっと増やしていかないといけないね。残りのレースはそのような事がないようにしたいね」
土屋圭市アドバイザーのコメント
「無線のトラブルなんて、滅多に出ない事だけど、出てしまった事をどうこう言ってもしょうがない。無線が壊れた時の対策も考えておかないとね。ペースは悪く無かったから、ドライバーには申し訳ないと思っている。良い経験が出来たと思うので、残りの2レースはしっかり結果にこだわってレースをしたいね」
田中洋克チームディレクターのコメント
「無線が序盤からトラブルが出てしまい、ドライバーとコミュニケーションを取る事が出来なくなってしまいました。その影響でFCY中にピットに入ってしまいペナルティを受けてしまうという事態になってしまい、応援して下さっている皆さまには本当に申し訳ないと思っています。レースはうまく戦えませんでしたが、車のスピードはあったので、残りの2戦は自信を持って強気で挑みたいです」
野尻智紀選手のコメント
「残念な結果になってしまったのですが、自分のスティントのペースは非常に良かったと思うので、次戦以降諦めずに全力を出して戦っていきたいです。今週末は車のパフォーマンスはあったと思うのですが、それが結果につなげられず、悔しく、フラストレーションも溜まりました。この悔しさをバネにしてチーム一丸となって次のレースを戦いたいと思います」
松下信治選手のコメント
「無線が壊れてしまったというのもあったのですが、FCY中に間違えてピットに入ってしまい60秒ペナルティを受けてしまったのが、ボクの敗因だったと思います。本当にチームに申し訳ないです。次のもてぎに集中して挽回したいです」