ARTA GALSとして3年の時を過ごした沢すみれ。過去、レースクイーン卒業を考えていたタイミングでARTAのオファーを受け、その後も献身的にチームを支えてくれた。
沢すみれがレースクイーンをして得たものとは。
―これまでレースクイーンになる、またそれに繋がる夢はありましたか?
沢:制服に憧れがありました。というのも私の場合は少し特殊で、ここまでの経緯を話すと大変長くなりますが、高校には通っていなくてフリーターをしていました。その後、大学に通い、心理学を学ぶのですが…。これまで、かわいい制服を着たことがなかったんです。それでかわいい制服を着るというのが夢でした。「かわいい制服」「バイト」で検索をしたら、「イベントコンパニオン」が出てきて、事務所に赴いてアルバイトをしていました。そのうちオーディションがあるよと言われ、レースクイーンがなんだかわからないままモータースポーツの世界に入りました。それが21歳の時でした。
レースクイーンのオーディションでは、持参物の水着を忘れたので帰りますと言ったところ、潔くて良いと言われて前年度のコスチュームを着用して参加させていただいたこともありました。今思えば、行動そのものが本当に若かったと思いますね…。
―レースクイーンになって良かったことは?
沢:クルマを好きになったことが良かったと思います。今は、クルマを知ることで人と良く話すようになりました。大きな収穫ですね。また、以前あった菅生のSUPER GTの公式テストをふらっと観に行きました。こそっと行ったのですが、チームのみなさんが迎え入れてくれました。走行中もチームのクルマを応援していたら、ドライバーさんがパッシングしてくれて…それに感動して泣いてしまいました。とても嬉しかったですし、モータースポーツファンの気持ちがわかったような気がしました。
―レースクイーンをしていて何かハプニングを経験したことがありますか?
沢:グリッドボードを持って待機していた時の話ですが、私が持っていたボードの棒に帰ってきたクルマがぶつかってきたことがありました。みんなで笑いましたね。その年、クルマのカウル部分が前年から数ミリ変更されたそうなのですが、ドライバーさんは以前の感覚で走っていたから、私が持っていたボードにあたったようなのです。数ミリの差を修正していくドライバーさん達はスゴイなと思ったハプニングでした。
同じくグリッドガールを務めていた時に、グリッドに入って来たドライバーさんと目が合ったような気がしたので挨拶をしたら、挨拶を返してくださったことがありました。とても嬉しかったので、それ以来、自分がグリッドガールを務める時は、そうやってお迎えをしています。
―周囲から受けた刺激などはありますか?
沢:土屋さん、亜久里さん、いつまでもクルマが好きというのが伝わってきて、そこがすごくいいなと思いました。国さん(故高橋国光氏)もそうだったんです。クルマを見ながら「やっぱこのクルマはかっこいいなあ」と仰るんです。いくつになっても、そうやってクルマを思う気持ちが素敵でした。国さんに好きなクルマは何ですか?と伺ったところ、自分が乗って来たクルマは全て良かったよと仰っていました。よく私にも話しかけてくれて、私もいろいろ伺うことができました。わからないことを何でも教えてくださって、トップに立たれる方が私のような者にもご教授くださる、とてもありがたい環境でお仕事が出来ました。
―卒業を発表するタイミングはいつでしたか?またその後の心境はいかがでしたか?
沢:卒業は最終戦直前の月曜日に言いました。本当は言いたくない気持ちもありました。仕事の関係もあり相談したところ、やっぱり報告をした方が良いということになり発表をしました。最終戦のステージで私宛の横断幕を作ってくださった方がいて、ステージに上がった時にそれが目に飛び込んで来た瞬間、とても嬉しくて大号泣してしまいました。あとは普段と同じように過ごそうと思っていました。サーキットで私の前で泣いてくださる方もいたのですが、こちらも泣きそうになりながらも、何泣いてるの?と慰めながら自分は涙を堪えました。
―レースクイーンをやめようと思った理由は何でしょう
沢:体力的な事が一番大きいです。カラダのことでずっと無理な状況で続けて来ました。もっと早く辞める予定でしたが、チームと相談しARTA GALSを3年務めることになりました。無事に現場を務めることが出来ました。
今だから…の話ですが、実は以前から「無限かっこいいな」「いつか無限のボードを持てたらいいな」と憧れていました。今シーズンは、チーム体制が代わり無限とのコラボチームとなった事で、最後にその夢が叶いました。グリッドボードを持てて良かったです。この先、きっとシリーズチャンピオンを獲得すると思いますが、それはファンとして見届けたいと思っています。
―このユニットで意外だった事はありますか?
沢:もともと笑顔禁止、ファンサービス禁止と伺っていました。イメージやブランディング的にそうなのかと思っていましたが、実際に入ってみると全くそんなことはなく、ファンサービスも素晴らしく、みんな笑顔だったので安心しました。
またレース中にチームの方に「いつもピットで見ているね」と言われて、邪魔なのかなと思ったのですが、そうではなかったみたいで安心しました。レースが好きで、やっぱり応援しながら見たいのでいつもそうしていました。ある時レースのことを終わってからしっかりSNSに書いたら、ドライバーさんに「レースレポート書いてくれない?」と言われたことも嬉しかったですね。私のことは認識されていないと思っていたので、これもとても嬉しかったです。
―未来のARTA GALSへひとこと
沢:自分らしく頑張って!というだけですね。そして伝えたいのは、ずっと応援しています!ということです。
―最後に
沢:お世話になりました。みなさまには、これからもARTA GALSのことを応援して支えてあげて欲しいです!ありがとうございました!
お疲れさまでした。いつも真剣にチームやレースに向き合っていた沢すみれ。
チームは2023シーズンに体制を変更して再び歩み始めたばかりだが、チャンピオンを目指して進んでいく。これからも変わらぬ応援でARTAを支えてほしい。そしてチャンピオンを獲得する場面を共に見届けてくれると信じている。
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