2020.10.16

2020.10.16

「2020年ARTAドライバーの素顔」いまだ進化する野尻智紀

選手に焦点を当て、直近のレースを振り返り、綴るミニコラム

2020年は大きな「変化」の年

GT500 6シーズン目を迎えた野尻智紀にとって、2020年は大きな「変化」の年となった。これまではキャリアも年齢も上の選手と組み、後輩として天性の速さを発揮してきた。しかし、今年は海外フォーミュラでも活躍した福住仁嶺をパートナーとして迎え、初めて先輩としてチームを牽引する立場になった。

「福住選手はとても速く、走り方も僕とは違うので、先輩後輩の立場は関係なく、ひとりのレーシングドライバーとして刺激を受けています。ただし、自分のほうがGT500の経験はあるし、チームを引っ張る立場として、どのように振る舞うべきかを模索しています。シーズンの前半に関しては、牽引する力がまだ充分ではなかったと反省する部分もありますね」

「不撓不屈」の精神でチャレンジ

以前からドライビングの研究、分析に並々ならぬ力を注いできた野尻は、これまで全てのカテゴリーで一緒に組んだドライバーの優れた部分を見つけ、吸収してきた。予選など一発勝負でのスピードに関しては、国内でも指折りの選手であるが、ベテランとなりつつあるいまも、その勤勉な姿勢は変わらない。今年は、新たにシミュレータを自宅に導入し、ドライビングをさらに追求しようとしたときに、コロナ禍に巻き込まれた。

「テストから良いポテンシャルを感じていたし、タイムも良かったので自信を持って開幕を迎えました」と野尻。実際、レースでのARTA NSX-GT 8号車は一発のタイムは良く、第2戦と第5戦ではポールポジションを獲得した。多くのレースで優勝を狙える速さがあったが、第5戦が終了した時点でまだ優勝はない。直近の富士では前半トップを走っていたが、後半順位を下げ3位でフィニッシュした。

「タイヤが暖まるのに時間がかかり、抜かされてしまいました。しかし、以前とは大きく違うセットアップを施し、いままでよりもクルマが素直に反応するようになったのは終盤に向けて大きな収穫です。結果はともあれ、チームが前に進めるという期待を強く感じた3位でした」

コンビとしての速さはGT500トップクラスながら、それがなかなか結果に結びつかない悔しさ。しかし、野尻は諦めない。

「大事なのは、苦しい状況で何を学んだかです。一歩一歩前に進んでいけば、必ず勝利はやってくる」

座右の銘とする「不撓不屈」の精神で、野尻はチャレンジし続ける。

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