2021.7.29

2021.7.29

常に冷静、考え方の柔軟性を生かしたまとめ役 ARTA 8号車チーフメカニック 北原 諒 ~Work behind the scenes vol.3~

第2戦GT富士500㎞レース、Jスポーツの解説者が “速い!”とコメントしているのを録画をチェックしていて、思わず自分のことのようにガッツポーズをした。縁の下の力持ちたちも常に最大限の努力を重ねレースに臨んでいる。彼らのステージは、表舞台だけではない。ファクトリーで長い時間クルマと向き合い、現場で目に見えているシーンはごく一部。

彼らの多くの仕事の中でも、レース本番でのピット作業は花形。レース結果に直に反映されるからだ。今回、テレビ中継で一瞬でも彼らがスポットライトを浴びた事は喜ばしい。ドライバーと同様に、プロの仕事をやってのけたメカニックたちを誇りに思う気持ちがますます増した。今回は、そんなメカニックを取りまとめるチーフメカニックの北原を紹介しよう。

レースメカニックになるまで

北原:小学生の頃からレースが大好きでメカニックになろうと思い、日本モータースポーツ専門学校(JMC)の大阪校で関西圏にありますので、「童夢」と繋がりがあり卒業後、童夢に就職しました。2008年、S102というクルマでル・マン24時間へ参戦しましたが、リーマンショックで残念ながらこのチームが解散してしまいました。

北原:その後、2009年に鈴鹿サーキットレーシングスクール(SRS)へ就職しました。Hondaで活躍する今のドライバーさんたちの若い頃を良く知っています。そして、2013年に現在の仕事に就きました。

チームでキャリアを積んで行く中、2017年にARTA8号車のチーフメカニックに任命されました。チームで5年のキャリアが経過した時でした。前年2016年には、チーフメカニックへの移行期間ということで、すでにその職を経験します。その期間中は、周囲のサポートに助けられたそう。

ドライバーの命も預かる重要なメカニックの仕事。携わる人間の信頼関係や当然仕事も覚えないといけない。一年という期間は、チームにとって万全な時間だったと言える。1シーズンの流れを経験しながら仕事を習得できるのは利点しかない。そこから北原カラーのチームが作られていく。

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チーフとして常に考えていることは何か

北原:いつも、チーフであるということではなく、自分の仕事として、「時間」、「クオリティ」、「コスト」を頭に置いています。そして、自分のやり方を押し付けないということ。周囲の意見を聞いて、良いと思ったことを優先しています。

まとめ役ではあるけれど、自分を前に押し出さない性格。納得。そしてチームのそれぞれの役割をみんなで話し合い決めていく。チームワークが良いのがARTAの最大の自慢ポイント。そして都築メカニックとコンビを組んで4年目。彼にも絶大なる信頼を置き“任せっぱなし”と話す。

その都築は、北原のことを…。

「チームの中で一番冷静。まわりを良く見ていて何か起こった際に、考えもしないでものを話すタイプではなく、いろんな情報を精査し判断する。性格的なこともあるのか、必要なこと、そうではないことの切り分けもすごいです。趣味もバイクいじりで一緒。良い意味で気を遣わないので自然体で仕事が出来ます」と語る。

そして、どこにも負けないピット作業は、普段のファクトリーでの練習を重ねている。タイヤ交換は、練習用にアップライトの部分だけを壁にとりつけた練習機があるので、空き時間や仕事終わりに練習をしている。いつでも練習ができるという訳だ。ファクトリーには、55号車ARTA NSX GT3もあるのだが、クルマの違いはあれど、それを使用し練習をしスキルアップを図っている。

ファクトリーでは、北原、都築、新人の井上の3人が8号車のメンテナンスを担当。オフシーズンはコロナ禍でスケジュールが詰まっていた為、充分な休みなほぼなく、新しいシーズンを迎える準備で忙しかった。タイトなスケジュールの中でも、チームのムードも良くのびのびやれる環境があるのは、北原の柔軟性が大きい。ガチガチな環境ももちろん悪くはないけれど、そうじゃなくても出来るのなら…という事だ。若手ものびのび仕事を習得する環境がある。

昨シーズン後半一気に盛り返して来たので、今季は、今後もミスさえなければという思いを秘めて仕事をしている。

彼らの練習量と完成度はレースに生かされている。なかなかテレビには映らない縁の下の力持ちにも注目して欲しい。

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