ARTAを支える仲間たちを紹介する「Work behind the scenes」。今回はSUPER GTの現場で働きたい方の憧れ・参考になればの想いを込めて女性スタッフを紹介する。敢えて「女性」と取り上げるのは、男性の多い職場・業界へ飛び込んで同等に頑張っているというリスペクトを込めて…
ドライバーと共にレースの全般的な組み立てを考えていくエンジニアは、いわゆるトラックエンジニアと呼ばれる。その他に、トラックエンジニアの右腕となり、必要なデータ解析の仕事をするのがパフォーマンスエンジニア。データエンジニア、解析エンジニアとも呼ばれ、そのポジションはどのチームにも存在する。佐藤奈緒美はARTA 8号車のパフォーマンスエンジニアを勤める。
仕事柄、理系の女子、いわゆるリケジョの彼女が業界に入ったのは、クルマ好きということが根底にある。ディープにクルマが好きなことに引かないでくださいと言いながらも、逆に感性がとても男前でかっこいいリケジョであった。
―――――レース業界を目指したきっかけは何でしょう
(佐藤):クルマ好きの父親の影響を受け、子どもの頃からのクルマへの興味は非常にありました。父とドライブへ出かけたりなど。そのクルマ好きの流れで自動車の専門学校へ進学しました。レースとの出会いは、その専門学校の学びの中でサーキットへ出かけた際に、初めてモータースポーツの現場に立った時でした。当初自分が目にしたのは、全日本GT選手権だったと思います。
―――――業界に入った経緯を教えてください
(佐藤):小さい頃はレースではなく、あくまでもクルマが好きだったのですが、その学生時代の全日本GT選手権の現場でこれだ!と思うクルマに出会いました。父親の影響を受けた他メーカーのクルマだったので名前は伏せますが、そこからメカニックになりたい気持ちが強くなりました。3年メカニック、普通のOLも経験し、2008年に今の会社に入社しました。ここでも1年間メカニックとして仕事をしました。その仕事に携わる傍ら、エンジニアリングという仕事に興味を持ち始め、体力的な部分で不安もあったのも手伝ってエンジニアを志願しました。会社立ち上げの時で人手不足という事もあったのだと思いますが、エンジニアに仕事を転換させてもらい、気づけば10年が経過しましたね。当初は、わからないことだらけで、トラックエンジニアに聞くこともありましたが、とにかく頑張りました。
―――――現在のチームの状況はどのような感じでしょう
(佐藤):昨年からこのクルマになり、また同じくトラックエンジニアがライアン・ディングルさんへ変わりました。今年はメカニックは新人さんが入った以外変わっておりません。2年目となるこのクルマは、実力は底上げになっていると思っています。エンジニアは、性格が優しいですね。自分の方が考え方がずるいと思うことがあります(笑)。今のところ勝てそうなところで勝てていなく、その悔しい部分が非常に大きいですね。
―――――佐藤さんから見て2人のドライバー野尻選手・福住選手はどんな方でしょう?
(佐藤):クルマのセットアップの話や工場からの持ち込みのセットアップの状態はこんな感じと毎回話します。野尻選手は、かなり繊細なセンサーの持ち主ですね。「細かい」という言葉を使うと語弊がありますが、その分フィードバックも沢山くれます。そういう意味で、クルマをワンランク上のものに仕上げることが出来ます。
福住選手は、どんな状態のクルマに乗っても速く走ってくれます。幅広く乗りこなせてしまうドライバーですね。センスがとても良いと感じます。
―――――エンジニアになっての想い出を1つ上げるとすると何でしょう
(佐藤):ラルフ・ファーマン選手と伊沢拓也選手がコンビの時ですね。手違いでスーパーラップ方式でドライバーの順番が違ってしまったのですが、トップタイムを獲ったんですよ。とてもうれしかったですね。
佐藤エンジニアの伴侶は、クルマもタイヤも同じ陣営のトラックエンジニア。今年から旦那さまは最強のライバルである。そんな佐藤に好奇心丸出しの質問を2つ…。
―――――ご主人との出会いは?そしてお家での会話は?
(佐藤):彼は後から入社して来たんですよね。きっと気が合ったのでしょう。結婚してしまいました(笑)。出会った日とか結婚記念日とかそういうのは覚えていません(笑)。自宅では、どうしても仕事の話はしますね。勝った時はうれしいですし、負けたときは悔しい。お互い特殊な仕事でナーバスなことや大変なことを共有しているので、やりやすいです。2人にとってプラスになることが多いと思います。GT500クラスは、同じメーカー内である程度情報を共有していますが、敵ですね、敵!
―――――出張の多い仕事ですが家事などは?
(佐藤):料理はお互いやりますよ。そして、やっていない方が片付けをしたり。お洗濯などもそうですが、お互い平等に家事をこなしています。
―――――最後に、ご自身の目標をお聞かせください!
(佐藤):パフォーマンスエンジニアからトラックエンジニアというのもありますが、自分の性格として苦手な分野だと思うので、現在のパフォーマンスエンジニアとして、サポートしていく仕事が自分に合っていると思います。ですので、このポジションでぜひタイトルを獲りたいです!
佐藤パフォーマンスエンジニア、身内もその他にライバル沢山の中で頑張っておりますので応援よろしくお願いいたします!
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