富士スピードウェイで開催された最終戦にて、無事に2021年のシーズンが終了しました。コロナ禍2シーズン目でもありましたが、8レース無事に開催されたこと、本当に良かったです。用意された環境の中で、今季も全力で頑張って来たARTA8号車。シーズン中のいろんなシーンが思い起こされます。優勝も2回も達成しましたが、残念ながらタイトルには届きませんでした。ドライバーランキング2位、チームランキング2位でシーズンを終えました。レースですので良いことも悪いことも、8号車を取り巻いたシーズン。
トラックエンジニアのライアン・ディングルにシーズンを振り返ってもらいました。振り返る中で、「タイトルまであと一歩と感じるけれど、この一歩がとてつもなく大きい」、この言葉が2021シーズンを集約していると感じました。それでは、どうぞ。
2021年は、どんなシーズンだったか
ディングル:「みんなが頑張ったシーズンではありますが、タイトルには届きませんでしたね。オフテスト、シーズン前半からいろいろ苦労したことが沢山ありました。クルマのことはもちろん、チーム内のコミュニケーションなどの課題はあります。そんな中、ドライバーの野尻選手と福住選手は二人とも速いので、それを活かさないといけません。しかし、要所でミスが出てしまいました。第2戦の富士では100から110周を経過し最後の最後でペナルティを受けました。また第5戦の菅生ではチームでミスをしてしまいレースを落としました。そのあと、監督の亜久里さん、土屋圭市さん、ドライバーの力を借りて、チームを立て直す方向へ軌道修正し最後の3戦に挑みました。
最終戦に関しては、今シーズンを物語るような展開でしたね。タイトル争いに絡む形で迎えた最終戦、一番のライバルは1号車でした、最後残念なことになってしまいましたが。ライバルのスープラ勢が速かったとはいえ、その次に大きなチャンスを持っていたのはわれわれだったと思います。しかし、予選セットアップやピットで行ったロスにより僅差でタイトルを逃してしまいました。そんなことを含め、残念な最終戦となりました。ただ、だいぶチームは強くなったと思っています。菅生ラウンドからクルマも少しずつ良くなっていて行き、ドライバーはクルマを完全に信じてくれるところまで近づいたと思っています」
シーズン中、2勝をあげて
ディングル: 「ミスで落とした第5戦を終えてから、第6戦のオートポリスで優勝をしました。しかし、これをうれしいことだけれど、それを良しとせずみんなが立ち止まることはありませんでした。勝ったことについてはもちろん安心はしましたが、それはそれで、前進する事、チームのパフォーマンスをあげることを考えたと思います。そして、優勝を2回したことで優勝するまでの努力、流れ、必要なことはみんなが掴んだと思います。そして、優勝をしてもタイトルを獲得することの難しさもわかりましたね」
タイトルを獲得することの難しさとは
ディングル:「今までこのレベル(ランキング2位)で戦えることは、当たり前だったのかもしれません。ドライバーの2人も速いですからね。ただクルマづくり、とても細かなところ、セッティングなどを含め、例年タイトル争いを繰り広げているチームは、そこがもっと上のレベルなんだと思いますね。ライバルチームのそこにわれわれも追いつきたいです。もちろん、今のこの状態も来年もこのまま続かなきゃいけないと思っています。そして、あと一歩でチャンピオンだけれど、その“一歩”がとてつもなく大きいとも感じますね」
オフシーズンに向けて
ディングル:「オフは、練習もできないしクルマの評価も、走ることができないので難しいですが、みな条件は同じです。それでもシーズンの開幕からパフォーマンスを出していかないといけません。このチームのメンバーとして、速さは充分に見せたと思っています。あとは、チームをまとめられればとの思いもありますし、来季はチームとしての最高のパフォーマンスも狙っていきます。そうしないとタイトルは獲れない…。2回勝っても1つ落としたらタイトルは見えないし、それ以上落としたらタイトルには当然届きません。ですので、来季に向けてしっかり準備して行きたいと思っています。今シーズンも応援ありがとうございました」
2勝しつつも切ないシーンが思い浮かぶファンの方も多いはず。チームのみんなは日々努力の手を休めず頑張っています。失敗からの成長にご期待ください。引き続きARTA8号車の応援をよろしくお願いします!
次は、ARTA55号車の岡島慎太郎トラックエンジニアにシーズンを振り返っていただきます。
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