ARTA 55号車チーフメカニック 大木將太郎 ~Work behind the scenes vol.9~ | ARTA

2022.1.23

2022.1.23

ARTA 55号車チーフメカニック 大木將太郎 ~Work behind the scenes vol.9~

ARTAを支える仲間たちを紹介する「Work behind the scenes」。

今回紹介するスタッフはGT300クラス55号車のチーフメカニックの大木將太郎。誰よりも練習し、責任感強く、24歳という若さでチーフメカニックを任されている。

レース業界を目指したきっかけと経緯

大木:父にサーキットに連れて来てもらった事と、その影響からかクルマやバイクがすきだったからですね。それで東京工科自動車大学校へ進みました。うちの会社は、先輩だらけですね。卒業生がほとんどで繋がっています。サーキットに来た時は、ARTAのCR-ZやニスモさんのGT-Rがチャンピオンになったことを記憶していますね。

―――――業界に入った経緯を教えてください

大木:学生の時にインターンで、ARTAで学ばせていただき、その流れで入社しました。今年で4年目になります。当初は、2年間8号車のNSX-GTを担当していました。その後、今の55号車のチーフメカニックになり、2年目です。上の方がチーフをやらせてみようと思ってくれたんだと思いますね。2年目の末に、チーフをやってみるか?と打診がありました。やらせてもらいたいと喜んで引き受けました。

思い出に残るレース

大木:チーフメカ1年目の富士のレースです。2位表彰台のレースと最終戦の富士で、走行してすぐエンジンブローして、そこから直してレースを完走したのをよく覚えていますね。毎回レースはしんどいです。与えられた時間でチーフとしての役割を果たせていないと感じるのが辛いですね。自分より若い人ばかりですが、その人たちに指示して、先回りして、人を動かすのは自分の能力が足りないので大変です。チーフとしてメカニックにとしても未熟な部分が多く、そして発見でもあり、次頑張ろうという意欲にもなります。

ピット作業の練習・緊張、プライベート

―――――ピット作業の練習はどうされていますか?

大木:工場でクルマのセットアップを終わらせたら時間を取って、1時間~2時間やっています。昼休みや仕事が終わってからトレーニングしていますが、この練習は自分が一番やっている自信があります。わからないことはもちろん教えながらもしますが、練習そのものは、自分からやるものだと思っていますね。自分からどんどん練習して上手くなっていく必要もあると思います。そして、自分がお手本を見せることも大事だと思っているんです。偉そうなことをいうキャリアはないけれど、自分が率先してやって、その姿を後輩たちに見せて、チーム全体のレベルを上げられるよう努めています。

―――――タイヤ交換は緊張しますか?

大木:メカニック2年目の500クラスでデビューしたときはめちゃくちゃ緊張しました。ご飯食べられないし、頭が真っ白でした。今は、タイヤ交換での緊張はあまりないです。練習が安心させる材料なのかもしれません。緊張は、チーフとしての責任感でタイヤ交換よりも他のこと、チームを管理する側の立場としての緊張はあります。

―――――プライベートは何をしていますか?

大木:映画が好きで家にこもって見ています。映画館にもよく行きます。最近始めたのはアウトドアです。流行りのキャンプです。料理は彼女がやってくれるので、それ以外を自分が担当しています。カタチから入るのが好きで、結構揃えてしまったのですが、なかなか行けませんね。ですので、べランダで楽しんだりして、今のところそれでリフレッシュしています。あまり時間がないので、これでも満足です…。

メカニックだけをしていたいとは思っていない

―――――今後の目標は?

大木:まずは勝ちたいです。まだチーフとなってから一勝もしていないので、それが目標です。当然シリーズチャンピオンも担当しているクルマで獲りたいですね。一メカニックとしては、スキルを持ったメカニックにもなりたいですが、どちらかというと、チームをマネージメントしたり、チーム作り、チームのまとめ役にいずれなりたいです。メカニックだけをしていたいと思っていません。

―――――ちなみにゲン担ぎは何でしょう

大木:グリッドでレース直前にクルマに頑張って!とお願いしますね。あとトンカツを食べたり、お守りも持ってますよ。

「練習が安心させる材料」と言うほどに練習を重ね、自身のレベルアップは怠らない。その上で、チーム全体のレベルアップを睨む。ガレージ内でも的確な指示を出したり、声掛けで雰囲気作りをしている様子は見ていて、とても頼もしい。

24歳という年齢を聞いて、あまりの若さに驚きを隠せなかった人が何人もいるそうだ。大木の動きや姿勢を見れば、チーフメカニックを任されていることを誰もが納得するだろう。

切望する、これから来るべき勝利のその日に期待したい。

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