結果は8位だが中身の濃い充実したレースで次戦に期待
昨年は新型コロナウィルスの影響で全8戦が300kmのレースで開催されたが、今回のレースはゴールデンウイーク恒例の500kmレースだ。3スティントのレースを存分に楽しんでもらいたいと、久しぶりの長丁場のレースにチームは万全の準備をしてスタートを待った。
スタートは福住仁嶺。2周のフォーメーションラップのあとスタートが切られた。福住のスタートは抜群で1コーナーまでにトップに躍り出る。しかし、3周目に23号車が白煙を上げストップ。SCが導入されてしまう。6周目に車両の回収が終わり、リスタートが切られた。
そのリスタートで36号車に背後に着かれ、1コーナーで抜かれてしまう。13周目あたりから300クラスのラップダウン車両が出始める。福住のラップタイムはトップと互角のタイムで走り、2秒前後の間隔で周回を重ねる。
31周目に38号車のタイヤが最終コーナー出口で外れてしまい、ここで初めてのFCY(フルコースイエロー)が出される。
FCYは今年導入されたシステムで、コース上で80km/hの速度制限があり、速度違反も管理されている。FCYは翌周には解除されリスタートが切られる。福住はトップの背後にピッタリと着いたが、ストレートで離されてしまい抜くまでには至らない。38周目にトップ車両がルーティンのピットイン。福住はその2周後にピットへ入り、野尻智紀にバトンを渡す。
FCYが導入される直前にタイミングよくピットインしたチームがいくつかあり、この時点で6番手。45周目までに4番手まで順位を上げてトップ3台を追う展開に。しかし、46周目に300クラスの車両が止まってしまい、2回目のFCYが導入される。
2周後にリスタートが切られ、野尻は抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げる。Bコーナーで決着をつけ、50周目に3番手にポジションアップ。野尻のラップタイムは速く、2番手の車と差を縮めていく。60周目には36号車の背後まで迫るが、なかなか抜く事が出来ない。
69周目にトップの車両が2回目のピットイン。野尻は2番手に浮上。76周目にトップの車両がルーティンのピットイン。野尻は次の周にピットへ入った。チームは40秒以内でピット作業を終え、福住をコースへ送り出す。トップを争う17号車とデッドヒートを繰り広げる。
81周目のセクター3で17号車を攻略し、トップを快走。徐々に差を広げていく。しかし、36号車がハイペースで差を縮めてくる。90周目には1秒以内の攻防が始まる。
しかし、300クラスの車両がコース脇でストップしてしまい、車両回収のために3回目のFCYが導入される。2周後にリスタートが切られるが、この300の車両が止まった時のイエローフラッグ区間で福住は追い越しをしてしまい、ドライブスルーペナルティを受けてしまい、7番手までドロップしてしまう。
その後はペースが上がらず、8位でチェッカーを受ける。速さはあったが、FCYのタイミングなど非常に難しいレースではあったが、このような状況でもポイントを獲得出来た事は大きい。
鈴木亜久里監督のコメント
「運が無かったと思うけど、悔しいね。速さもあったから十分勝てるチャンスはあったんだけどね。でも、あれは仕方ないね。気持ちを切り替えて次のレースの準備をします」
ライアン・ディングル エンジニアのコメント
「悔しすぎるレースでした。でも、二人とも素晴らしいドライビングをしてくれました。ストレートスピードでスープラには負けているので苦戦しました。ペナルティは非常に悔しかったけど、このような状況でもポイントを獲れましたし、ウエイトも軽いので鈴鹿ではしっかり準備をして勝ちにいきたいです」
野尻智紀選手のコメント
「昨年の富士の予選は良くて決勝は良くなくて、終盤にかけてレースで強い車を仕上げていって、そうすると予選が良くないという事があったので、今回は予選と決勝のセットを大きく分けて大胆なトライをしてそれが上手く機能してくれました。それはチームに感謝しています。ボク達が一番強いレースが出来ていたんじゃないかと思っています。でも、まだ伸びしろがありますし、最終的な結果はこうなってしまいましたが、それも自分達の足りない部分で、福住選手だけの問題では無いので、彼がもっと集中してプッシュ出来るような環境を作る事をチームとしても考えていかなくてはならないと思います。チャンピオンを目指す上で今回勝てなかったのは大きかったかも知れませんが、まだチャンスはあるので、挽回出来るように頑張りたいと思います」
福住仁嶺選手のコメント
「結果的に8位という悔しい結果になってしまいましたが、スタートで順位を上げる事が出来たのですが、SC後にリアタイヤのグリップを感じられず、順位を落としてしまいました。その後はペースを上げられましたし、車の状態もすごく良くてスープラを抜けそうなチャンスもありましたが、ペースは遅くなかったし長距離レースなので焦らずチャンスを探りながら走っていました。2ndスティントは野尻選手が素晴らしい走りで14号車を抜くことも出来ましたし、その後、ボクに代わった時は給油時間も短く、タイヤの暖まりも良かったので、17号車の前に出る事も出来ました。しかし、その時に17と接触してしまい、ダメージがありバランスが良くなかったのですが、それを抑えながらの展開も悪くなかったのですが、300の車両が横に並んでいる状況でポストでイエローが振られていたようですが、ボクにはそれが全く見えなくて、それが原因でドライブスルーペナルティを食らってしまい、結果的に8位になってしまい申し訳ない気持ちでいっぱいです。落ち込む結果ではありますが、車のパフォーマンスは非常に良かったので気持ちを切り替えて次回に向けて頑張りたいと思います」
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