素晴らしい走りをした二人だが残り数周のところで突然のスローダウン
快晴に恵まれた富士スピードウェイは気温も心地よく、レース観戦日和になった。#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPER-GTはこのレースで大量ポイントを獲得し、チャンピオンシップを有利に進めたい。ウォームアップ走行では決勝のセットを確認し、スタートを待った。今回のレースは3時間のレースだ。レースの中断や、SC、FCYの導入が無ければ、約120周弱のレースになる。給油を伴う2回のピットインが義務付けられている。
スタートドライバーは松下信治選手。1周のパレードラップとフォーメーションラップのあと、スタートが切られた。
松下選手は慎重にスタートを切り、4番手で周回を重ねた。9周目から300クラスの後方集団に追いついた。
抜くチャンスでもあるが、抜かれないように松下選手は集中して走行を重ねる。
16周目に300クラスの車両が止まってしまい、このレース最初のFCYが導入され、車両の回収が完了した翌周に解除された。
25周時点で3番手との差は6秒あり、ペースは大きく変わらないが、なかなか差を詰める事が出来ないでいた。
33周目にルーティンのピットインを行い、野尻智紀選手に交代。
全車が1回目のルーティンのピットインを終えた41周目の時点で、野尻選手は4番手を走行。41周目には自己ベストラップを更新し、じわじわと前車との差を詰めていくが、なかなか抜くまでに至らない。しかし、70周目の最終コーナーで前車のスリップに入り、71周目の1コーナーで3番手にポジションアップ。
73周目から2回目のルーティンのピットインを始めるチームが出始めた。77周あたりで2時間経過。残りは1時間。78周目に野尻選手はピットインし、松下選手に最後のスティントを託した。全車のピットインが完了し、80周の時点で順位は3番手。
その後、4番手の車が迫ってきて、終盤は3番手争いのデッドヒートを繰り広げる。松下選手は、何度かストレートで前に出られるものの、すぐに抜き返し、3番手を死守する。
しかし、110周目に入ったストレートで突然のスローダウン。ピットに入ったが、走行を続けることは出来なかった。
完走扱いになったものの、チェッカーを受ける事が出来なかった。原因を究明し、次回のレースに生かしたい。
鈴木亜久里監督のコメント
「トップの2台に追いつく事は難しかったけど、3位にはなれたと思うので、今回のトラブルは悔しいね。ドライバー2人は素晴らしいレースを見せてくれたので、結果につなげる事が出来なかったのは申し訳ない」
土屋圭市アドバイザーのコメント
「3番手を死守して頑張っていた。野尻もノブも良い仕事をしたと思います。今回ポイントはとれなかったけど、ドライバーには100点をあげたいですね」
田中洋克チームディレクターのコメント
「表彰台は行けると思ったのですが、トラブルが出てしまい、これ以上走れない状況でしたので、とても残念です。昨日の予選からうまく修正して良いレースが出来ていましたが、次、頑張ります」
野尻智紀選手のコメント
「内容的にも良くて、表彰台も狙えていたので、残念な結果ではありますが、しっかりと原因を究明してもらい、ボクらドライバーはもっとパフォーマンス高く走れるようにしっかり、ドライバー間、エンジニア間でコミュニケーションをとって準備するだけなので、結果は悔しいですが、松下選手の走りは気持ちも伝わってきましたし、ボク自身もすごく次に繋がるレースになったと思います。次も頑張ります」
松下信治選手のコメント
「終盤まで野尻さんもチームも、頑張ってお膳立てしてもらったので、ボクはただそれに乗っかっただけなんですが、最後まで残りあと、7-8分だったと思うんですけど、ギアかな?わからないですけど、本当に悔しいですね。表彰台って、獲れる時に獲っておかないといけないと思うので、今日はそれしか言葉が出ないです」