2021年も、SUPER GTで活躍する8号車ARTA NSX-GTと55号車ARTA NSX GT3を応援する「ARTA GALS」たち。シーズン開幕を前に、彼女たちに今年に向けた意気込みや、サーキットでの活動での裏話などを聞いた。第2回目は、今年ARTA GALS 2年目を迎える神尾美月、はらことは、藤澤響花にスポットを当てる。
初めてのSUPER GTで感じた華やかさと厳しさ
「私は昨年がレースクイーン自体が初めてで、レースクイーンというものがどういうものかをあまり分かっていないまま1年が始まりました。実際に行ってみたら、想像していたものとは少し違った感じでした」
昨年、ARTA GALSに選ばれたのと同時にレースクイーンデビューを果たした藤澤。彼女も開幕戦を楽しみにしていたが、新型コロナウイルスの影響による入場者の人数制限に伴い、前半4戦はレースクイーンの入場ができなかった。ようやくレースクイーンデビューを果たせたのは10月の第5戦富士。サーキットに降り立って、そこで飛び込んできたのは“レースの華やかさ”だった。
「最初の印象は“お祭り”でしたね。私が初めて行ったのが第5戦富士でした。あの時はフライトパフォーマンスがあったりして、こんなに色んな催しがあって、楽しいものなんだ!と思いました。レースも間近で見ることができて、ARTAカッコいいな!とシンプルに思いましたし、チームを応援したくなる気持ちが、サーキットに行ったことでより強くなりました」
しかし、レースクイーンを経験していくうちに、モータースポーツの厳しさも知ることとなった。その一番の例が、同じ富士スピードウェイで行われた最終戦。55号車ARTA NSX GT3が予選日の練習走行でトラブルが発生し、急きょエンジン交換を敢行。その作業は深夜に及び、修復が完了した頃には日付が変わっていた。
「55号車がエンジンを交換しなきゃいけない時があって、メカニックの皆さんが帰らずに夜遅くまで作業をされていたのを知って、チームの熱意がすごいなと思います。初めて行った富士(第5戦)がすごく順調にレースをしていた分、最終戦では『こういう面もあるんだ』と感じました」
それでも、最終戦の富士では嬉しいエピソードもあったという。
「最終戦でPRステージに立たせてもらいましたが、ARTAのグッズを身に付けてくださっているファンの方を見つけると、ものすごく嬉しかったです。昨年は私たちもグッズ紹介をたくさんしたので、それが届いているんだと思うと嬉しかったです。なかなか難しいとは思うんですが、ファンの皆さんともっと交流したいですね」
ARTA GALS、そしてレースクイーン2年目として開幕戦を迎える藤澤。昨年にも増して新たな経験を積んで行くことになるだろう。
久しぶりに帰ってきたサーキットで出来た“最高な経験”
同じくARTA GALSとして2シーズン目を迎える神尾。彼女にとって、ARTA加入1年目となった昨シーズンは、コロナ禍でサーキットに行けない日々が続くなど、様々な経験をしたのだが、その中でも一生忘れることのない思い出ができた。
「前半戦はレースクイーンがサーキットに行けなくて、YouTubeでイベントなどをやりましたが、やはり物足りない感じがありました」
「でも、後半戦になって行った時に、グリッドボードを担当させてもらって、その時に8号車がポールポジションを獲得しました。第6戦の鈴鹿でしたね。私はレースクイーンを始めて5年目だったんですが、ポールポジションのグリッド担当は今までなくて、レースクイーンをどれだけやっていても、ポールポジションの担当はなかなか経験できないので、本当に嬉しかったですし、鳥肌が立ちましたね。その時に改めて『サーキットに戻ってきたな』と感じました」
レースクイーンとしての経験が豊富な神尾ではあるが、ARTAでしか経験できないことにもたくさん気づいたとのこと。それが楽しさのひとつでもあるという。
「GT500とGT300に両方参戦しているチームって、なかなかないと思うんですよ。その分、レース中はどっちのクラスもチェックしなきゃいけなくて、応援するも忙しいんですが、それが楽しいんですよね。GT500に注目していると「GT300も順位上がってきたよ!」とか、みんなでチェックし合っていて楽しかったですね」
今年はサーキットで直接ARTAを応援できることになるが、それでもファンに関しては入場制限が続いており、通常通りのレース開催に戻るのはもう少し時間がかかりそう。そんなファンのために神尾は、昨年自身が経験したことをもとに、サーキットからの情報発信を積極的にやっていきたいと意気込んでいた。
「昨年は前半戦でサーキットに行けなかったんですが、そこで分かったこともあって改めて“SNSでの発信”が重要だなと感じました。今年は初戦からサーキットに行けると思うので、SNSを積極的に発信して行けたらなと思っています」
今年は色々なサーキットでARTAのカッコよさを伝えていきたい
「個人的には、すごく憧れていたチームに入れたのに、正直悔しい気持ちの方が大きかったです。シーズン前半は無観客開催でレースクイーンも参加できませんでした。後半はサーキットに行くことができましたが、その中での活動が限られていたので……とても悔しい1年になってしまいました」
そう語るのは、昨年ARTA GALSに就任し、神尾、藤澤とともに2年目を迎えるはら。特にサーキットに行けなかった昨シーズン前半はもどかしい気持ちを常に抱いていたようだが、その分、サーキットに立てた時の感動は今でも忘れられないという。
「昨年初めてサーキットに行けたのは第5戦の富士でしたが、慣れた空間なのに、何かいつもと違うなと思いました。パドックにファンの人の姿もなかったですし、違和感がありました。でも……国歌斉唱が始まった時、グランドスタンドの皆さんをみて、少し目頭が熱くなったのを覚えています」
「あと昨年初めてARTAを間近で応援させていただきましたが、結果が良くなかった時でも、すごくポジティブな言葉が飛び交っているという印象でした。亜久里さんや土屋さんをはじめ、“逆境に立ち向かう”ような強さを見せつけられました。それがチームのカラーなのかなと思って、昨年の中でも印象深かったです」
はらも、今年は開幕戦からサーキットに行ってARTAを応援に務める予定。昨年は思うようにできなかった分、よりおおくのファンにARTAの良さをPRしていきたいと、新シーズンに向けての気合は十分だ。
「昨年は富士、鈴鹿、もてぎだけの開催でしたが、今年はその他のサーキットにも行けるのが嬉しいです。直接ファンの皆さんとお話するのは難しいと思うんですが、色んなサーキットでARTAのカッコ良さを体現して、アピールして行けたらなと思います」
3人とも、コロナ禍で制限のかかった昨シーズンを経験し、色々な思いがある様子。今年もサーキット内での活動に制限はありそうだが、彼女たちの活躍から目が離せない。
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