ARTA SUPER GT300 第8戦 決勝レポート | ARTA

2020.11.29

2020.11.29

ARTA SUPER GT300 第8戦 決勝レポート

最終戦にふさわしい22台ごぼう抜きで来年につながるレースができた

昨日はエンジンの載せ替え作業が今日の午前3時までかかり、メカニック達はほぼ不眠で朝を迎えた。しかし、無事に車は息を吹き返しウォームアップ走行を消化した。

29番手というポジションからのスタートとなるが、果たして何台の車を抜いて行く事が出来るか楽しみでもあった。スタートは松下信治。前回のレースでは後半のスティントだったが、今回はSUPER GTで初のスタートを担当した。

松下はカートレースでローリングスタートを経験しているので、スタートは難なくこなし、1周目は6台抜いて23番手で戻ってくる。2周のフォーメーションラップでタイヤはだいぶ暖まっているのか、松下は5周目までに19番手まで順位を上げる。その後のペースは良く、18周目には13番手に順位を上げる。20周目からルーティンのピットインを始めるチームが出始めた。

チームはピットストップの時間を短くすべく、2輪交換の作戦を練り、無線で松下にタイヤのフィーリングの確認を行った。タイヤのライフは良さそうだが左側2輪交換作戦を取り、大湯都史樹を送り出した。

大湯は右側のタイヤのグリップダウンを訴えてきたがペースは良い。コース復帰後、1周でひとつずつポジションを上げてくる。大湯はタイヤのグリップ不足を物ともせず、ハイペースで39周目にはポイント圏内の8番手までポジションアップに成功。その後も安定した走りで最後まで走りきり、終盤1台抜いて7位でチェッカーを受けた。

ペースが良かっただけに昨日のエンジントラブルが悔やまれるが、素晴らしい走りでシーズンを締めくくった。

土屋圭市アドバイザーのコメント

「ノブと大湯が22台も抜いて、素晴らしいレースをしてくれました。チームとしてはとても良いレースが出来たと思っています。世間的には優勝を期待してくれた人たちもいると思いますが、レースは良いときも悪いときもあるので、最終戦はもったいなかったけど、良いレースを見せられたと思います。7月まではSUPER GTファンの皆さまもイライラしたと思いますが、無観客で7月から開幕して、急ぎ足で11月まで来ましたけど、最終戦を終わってみて、お客さんが応援してくれて、我々も力をもらいました。また、来年面白いレースが見せられるようにオレ達も準備して行きたいと思います」

岡島慎太郎エンジニアのコメント

「ほぼ最後尾からの7位は、来年に向けて良いレースが出来たと思っています。走行機会が少ない中でこのポジションを獲る事が出来たのはポジティブなことだと思います。セットアップは時間が無くて詰めて行くことが出来なかったんで、レースセットとしては課題が残ってしまいましたが、ポイントを獲れてよかったと思います」

大湯都史樹選手のコメント

「ほぼ最後尾からのスタートとなりましたが、前半、松下選手が沢山車を抜いてきてくれたのも良かったですし、作戦も上手くいったと思っています。セーフティーカーが出なかったのは誤算でしたが、チームとしてはやるべき事は出来たと思います。セットアップや車の状態はあまり良くは無かったですし、昨日走れなかった状況下でもこのような走りが出来たのは良かったです。でも本当に勝ちたかったですし、チャンピオンを獲りたかったです」

松下信治選手のコメント

「ウォームアップ走行で走れたものの、昨日は全く走っていなかったので、とにかく車を接触させずにスタートさせて、あとはアグレッシブに抜いて行こうと思っていました。接触や事故に巻き込まれずに走りきれたので良いレースが出来たと思っています。まだちょっとドライビングを向上させない部分もありますが、最低限のレースは出来たと思っています」


高木真一選手のコメント

「1年間ありがとうございました。事故で怪我をして残り2戦出場出来なかったのは申し訳無かったです。しかし、こうやって現場に来る事が出来て、大湯やノブの雰囲気も見れて一緒に戦えて楽しかったです。予選は不運でしたが、こうやって最後尾から決勝走って、富士におけるNSX GT3のポテンシャルの高さはあるな、と思いました。JAF車両は異次元の速さですが、それと比較しても富士でのNSX GT3は活躍出来るなと感じました。7位という結果はチーム一丸となって出せた結果なので、来年に向けて良い内容のレースが出来たと思っています。来年は女神が降りてきてくれるようにお祈りしながら戦って、ARTAがより良いチームになってくれればと思います」

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