好きなことを仕事にできるシアワセ、辛いことも好きならば乗り越えられるはず!~Work behind the scenes vol.5 8号車チーフメカニック 相馬樹~ | ARTA

2023.10.20

2023.10.20

好きなことを仕事にできるシアワセ、辛いことも好きならば乗り越えられるはず!~Work behind the scenes vol.5 8号車チーフメカニック 相馬樹~

今季、新たに8号車のチーフメカニックに就任したのは26歳男子。時折、少年のような表情を見せたかと思うと、時にとても責任感に満ちた言葉を吐き男気を感じる青年、それが今回紹介する相馬樹。
ARTA無限の若さの象徴でもあるポジションを得た。以前からやりたかったというポジションを得たことで、苦悩しながらも遣り甲斐を多く見出している。先輩について学んで来た事を自らのスタイルにした時、きっと大きく開花し彼を目指す若者が現れるのだろう。やる気に満ちた、たまに若者らしい弱音も?そんなインタビューをお送りする。



―現在のお仕事を教えてください

相馬:現在、8号車のチーフメカニックをしています。昨年のシーズン中、今季の体制が変わることで、チーフメカニックをやりたいか?と打診がありました。もちろん、やりたいです!と答え、今のポジションに至りました。今は、足りていないところが多いチーフメカニック1年目…。そして人の上に立つ仕事をするのが初めてです。昨年までの16号車で杉尾クルーチーフの下でメカニックをしていました。それまでは、自分の担当をするところだけやっていれば良かったのですが、チーフになるともちろんそういう訳にはいきません。周囲のことも考えないといけません。弊社でやっている他のカテゴリーのチーフメカニックと比べると、全然仕事が足りていない状況ですね。

―2台体制になって環境がガラリと変わったと思いますが

相馬:昨年、最初にファクトリーにクルマが来た時には全部バラして2台を組みました。それはスタッフのみんなで行っていたので、チーフになったとかそんな実感は全く沸きませんでした。オフシーズンのテストが始まってからは、いっぱいいっぱいで記憶が無いくらいです。その頃は、死に物狂いでした。
8号車のメンバーは、年上で経験のある方もいるので、どちらかというとチーフという立場ではありますが仕事を教えてもらいながらやっています。年下なのです、いざとなると年上の方を動かさないといけないので、そこは自分の課題となっています。

今季2台体制となったことで、昨年までのメンバーを分け、当時16号車のチーフメカだった杉尾さんの下でやっていた者がそれぞれ8号車、16号車のチーフとなりました。それまで杉尾さんに重要なところをやらせてもらってたり、とにかく全部教えてもらっていました。そんな中で、若いながらチャンスを得て経験をさせてもらえることはとても遣り甲斐になります。そして、ずっとやりたかったポジションですのでありがたいのですが、業界を見渡しても若い方だと思いますし、やりたいと言ってやらせてもらえるポジションではありません。ですから、今後も頑張っていきたいと思っています。

―今描いている目標は何ですか?

相馬:もちろんチャンピオンになる事です。そして、一戦一戦大事に戦いトラブルを出さない事が目標です。優勝したとしても内容が悪かったら心から喜べないので、しっかりそこは準備して戦いたいですね。 あとみんなが気持ちよく働ける環境を作っていきたいです。例えば、結構それぞれのチーフメカニックによってチーム色が別れると思うんです。そんな雰囲気が業界にありますよね、クルマづくりなども。自分は、杉尾さんの下でやっていたので、彼のやり方を正しいものとこれまで思ってやって来ました。絶対的なチーフがいるという感じで。自分もそんな信頼されるチーフになって行きたいです。自分のカラーは、まだわかっていないですが…。


―ドライバーのみなさんはどんな感じでしょう

相馬:野尻智紀選手は優しいですね。スーパーフォーミュラでタイトルを獲得してから、ますます貫禄が出ました。野尻選手は、特別なことを何かと言うというのはないけれど、精神的な面で引っ張ってくれます。普段フツーに声をかけてくれるのですが、それに応えたいと思いますね。大湯選手は人間がよくわかりません(笑)。彼とは16号車でGT500クラスデビューの頃から一緒に仕事をしています。年齢が近いのですが、たまに大人だなと思うこともありますね。ミスをして引きずるところは自分も似ているので共感します。第5戦鈴鹿の予選でデグナーで飛び出してしまったときは、凹んでいました。そんな部分も見ながら、2人の為なら頑張ろうと思う自分がいます。

業界に入ろうと思ったきっかけを教えてください

相馬:父がSUPER GTが好きだったので、富士スピードウェイやモビリティリゾートもてぎによく連れていってもらっていました。その時から、メカニックになりたいという気持ちはありました。それは走っているクルマを見てなんとなく思っていたんです。高校の頃は、部活動のテニスで忙しくしていて、レースを見に行く機会は減ったのですが、クルマの専門学校に行きたいと思っていました。そして専門学校に進んでからは、就職先を決めてしまっていたのですが内定を取り消してもらって、杉尾さんとの繋がりから業界に入りました。

学生時代は、レースが好きだった割にSUPER GTのインターンでサーキットは行きませんでしたね。多分ビビッていたのもあります(笑)。学校では、JAF F4をやっていたので、それで土日もレースでサーキットに行っていました。

いざ就職して業界に入り現場に出たら、学生の時に思っていたものと全く違って正直辛かったです。何度も辞めようと思ったんです。杉尾さんに毎日怒られていたので。怖かったですよ、厳しくて…。今はそれが経験となり役に立っています。

ー今、抱いている将来の夢は?プライベートでも仕事でも

相馬:メカニックをまだまだ続けたい気持ちが強いので、杉尾さんの年齢になった時、あと10年後くらいに同じレベルになっていたいというのが目標でしょうか。まだまだ覚えることがたくさんありますので。

ー業界を目指す人へ

相馬:業界に入ってからもずっとレースが好きな気持ちで頑張って来られました。好きなことを仕事に出来るというのは、なかなか無いですよね。まずは、業界に飛び込んでやってみる。辛かったらやめてよいとは言わないけれど、それなりの指標を見つけて頑張ることが好きならば出来ると思います。

ありがとうございました。厳しい先輩の下で学び成長して来たZ世代。何か若いとかそんな事はどうでも良く、言葉の端々に芯の通った考えを持ち応援したくなる青年。そんな彼を目指す若者がいつか出て来るに違いないと思った。
まさに歩み始めたチームの中の人の将来にもご期待を!

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