最終戦はリスク覚悟の攻めも実らず8位「もう1回レースがしたい」 | ARTA
スーパーGT 第8戦 ARTA NSX-GT

2022.11.25

2022.11.25

最終戦はリスク覚悟の攻めも実らず8位「もう1回レースがしたい」


2022年SUPER GT、最終ラウンドの舞台はモビリティリゾートもてぎ。過去2年、シリーズタイトルの栄光を掴むべく最終戦の地へ乗り込んだ野尻智紀と福住仁嶺(8号車ARTA NSX-GT)だったが、今年の彼らに“3度目の正直”を果たす権利は残されていなかった。しかし、苦しみ抜いたシーズンの悔しさを晴らすべく、何としても良い締めくくりがしたい。それが彼らの思いであった。

モビリティリゾートもてぎは、直線をタイトなコーナーで繋いだようないわゆるストップ&ゴーレイアウトで、ここをホームとするホンダ陣営が得意とするコース。事実、ホンダ陣営は一昨年から昨年にかけてもてぎ大会を4連覇しており、8号車が勝利を飾った2020年の第7戦はホンダNSX-GTが1〜5位を独占したほどだった。

そんな中でも特に8号車はここで相性が良く、もてぎは目下2連勝中。今年も走行初日の公式練習ではタイムシートの上位にいる時間帯が多く、専有走行で福住が出したタイムはトップと0.498秒差の8番手タイムと、予選に向けてまずまずの滑り出しとなった。

スーパーGT 第8戦 野尻智紀


「持ち込みセットアップの手応えは、もう少し詰めないと勝ち負けを争うところまでいけないという印象でしたが、そこは微調整で対応できるレベルだと思うくらいには、良さを感じられました(野尻)」

「ミスもあったのでもう少しタイムを伸ばせたと思いますが、ここ数戦では一番フィーリングが良かったと思います。予選に向けては期待の持てる状況だったのかなと思います(福住)」

予選ではまずQ1を野尻が担当し、1分36秒028というタイムで6番手通過。Q2進出を決めて福住にバトンを渡した。Q2ではQ1から大きくタイムアップした車両もあったが、福住のタイムは1分36秒039にとどまり、ここでも6番手という結果に終わった。

スーパーGT 第8戦 福住仁嶺


前戦オートポリスでは、自身の予選アタックを「50点もなかった」と厳しく評価していた福住だが、今回も満足のいくアタックができなかったと悔しさをにじませた。

「ここ数戦、僕もクルマをうまく操ることができていない感じで、オートポリスに続いて悔しい結果となりました」

「どこでタイム差が出ているのかは分かっているのですが、そこを走りの方でもクルマの方でもアジャストし切れませんでした。タイムアップしなければいけなかったところでタイムアップできなかったのが反省点です」

スーパーGT 第8戦 ARTA NSX-GT


福住が言う“タイム差が出ているところ”について、野尻は次のように分析している。
「もてぎは(縦に)ブレーキを強く踏んでそのままハンドルを切っていくところが多いですが、そういったタテとヨコの使い方という点で、わざとタイムラグを作ってあげないとクルマが思うように曲がっていかない、そういう部分があったと思います」

予選でピークグリップを最大限発揮するという点ではライバルからやや後れを取ったものの、6番手というグリッド位置は展開次第で十分優勝争いが期待できるポジション。決勝のスタートドライバーを務めた野尻は、スタート直後から気迫の走りを見せた。

野尻はスタート直後の2コーナーで5番手に上がると、5コーナーでは4番手の車両にアウトサイドから仕掛けた。しかしここで2台は接触し、8号車はスピン。すぐに体勢を立て直したものの、最後尾に。勝利が遠のいていった瞬間だった。

スーパーGT 第8戦 野尻智紀


結果的に8号車と接触した車両にはペナルティが出されたが、野尻は8号車がリスクを負わざるを得ないシチュエーションにあったことが全てだと語る。

「接触はレースなので仕方ない部分は当然あると思います」

「やはり最終戦となると、皆目の色を変えてくるので、予選を上位で終えて決勝を前からスタートしないと、そういったことに巻き込まれてしまうという、レースの本質のようなところですよね。『そうなってしまうよなあ』というか……」

「こちらも当然リスクを負って、外側から仕掛けないといけない部分もありました。リスクを負わないといけなかったというところが、僕たちの課題なんじゃないかと思います」  

その後アクシデントなどが続きセーフティカーが入ったことは、8号車にとっては救いとなった。GT300車両の大きなアクシデントの処理が終わり、21周目にレースが再開されると、野尻は22周目終了時にピットに入った。63周のレースは3分の1を消化したばかりで、GT500クラスの中では最も早いタイミングでのルーティンストップ。レースカレンダーの中で最も燃費の厳しいもてぎにおいてはリスキーな戦略だが、失うものがない8号車は攻めるしかなかった。

スーパーGT 第8戦 野尻智紀 福住仁嶺


交代した福住には燃費をケアしながらの走行が求められた訳だが、スティント序盤こそ燃費走行をしていたものの、途中からは燃費を気にせずプッシュすることができたという。そのおかげもあってか、レース終盤はペースの上がらないライバルを尻目にポジションを上げていき、8号車はポイント圏内の8位でフィニッシュした。

燃費の状況を鑑みるに、もう少し給油時間を削ることができたのではないかと悔やむ福住。実際、ルーティンストップの際には同時にピットインしたライバルに先行されるようなシーンもあった。ただ、タイヤ選択やクルマのポテンシャル自体は高いレベルにあったとして、その点には一定の満足感があるようだった。

とはいえ、8号車にとって今回の8位というリザルトが心の底から満足できるものではないことは言うまでもない。野尻は次のように語る。

「これまで課題が残ってきただけに、最終戦は完璧なレースがしたかったですが、結果が物語る通りもう少し良くできるところがあると感じました。できることならもう1回レースがしたいです」  この「もう1回レースがしたい」という野尻のコメントに、彼らの思いが集約されているように感じられた。来季の参戦体制についてはまだ明らかにされていないが、“オレンジの弾丸”が再びGT500の主役となる日を心待ちにしたい。


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