「私にとってARTAは家族のような存在」ARTA GALS卒業を迎える神尾美月、最終戦への想いを語る | ARTA

2022.10.14

2022.10.14

「私にとってARTAは家族のような存在」ARTA GALS卒業を迎える神尾美月、最終戦への想いを語る

早いもので2022シーズンも最終戦を迎えるAUTOBACS SUPER GTシリーズ。何かの節目となると、出会いや別れといった出来事はつきものだが、このレースを最後にARTA GAL及び、レースクイーンとしての活動を卒業するメンバーがいる。2020年からARTA GALSとして活動し、ARTAを応援し続けてきた神尾美月だ。

シーズン開幕前に異例の卒業発表

スーパーGT ARTA GALS 神尾美月


神尾がレースクイーン卒業を発表したのはシーズンの開幕前の4月5日。ちょうど2022 ARTA GALSのメンバーが発表されたその日だった。SUPER GTは全国各地を転戦し、なかには1年に一度サーキットで現地観戦をするというファンもいる。そういった人たちに“ちゃんと感謝の気持ちを伝えたい”とのことで、異例ではあるがシーズン前の卒業発表となった。

発表後は、ファンからの反響も様々だったが、神尾自身としては2021年の綾瀬まおと同様に“大好きなチームで、レースクイーン活動を終えたい”という想いがあった。

「やっぱりファンの人から『もう1年RQをやってほしい』『別のチームでもいいからやってほしい』という声も聞こえてきますけど……やっぱり私の中では“このチームで終わりにしたい”という想いが強くて、ARTA以上のチームに行こうという気がしないです。大好きなチームでRQを卒業したいと思います。そこはまお(綾瀬まお)ちゃんと一緒ですね」

そうして“今年が最後”と自分で決めて臨んだ2022シーズンだが、各大会とも心の底からレースの雰囲気を楽しみ、笑顔が絶えない神尾の姿があった。気が付けばRd.7オートポリス大会が終了し、残すはRd.8もてぎ大会のみ。意外にも“これが最後”という実感はないという。

「私自身はそんなに実感がないのですが、どちらかというとファンの人が(私が今年でRQ卒業という意識が)強くて、SNSでも『残り何戦だね』とか『これが最後のオートポリスだね』と言ってくださります。でも……私は7年もやってきたので『来年もまた来られる!』という感じで思ってしまっています。だから、寂しさとか悲しさというのは、まだありません」 「逆にレースウィークはやることが多くて、そっちに集中しているので、『これが最後のSUGOかもしれない』『これが最後のオートポリスかもしれない』と考える暇もなく、レースが終わっていっています(笑)」

スーパーGT ARTA GALS 神尾美月


もちろん、大会期間中にレースクイーンとしての業務をしっかりとこなすべく、数日前からコンディションの調整も欠かさなかった神尾。そのルーティーンも、あと1戦で最後となる。

「レースがある時は、RQは朝が早いので、木曜日くらいから早く寝るようにして(時間を)合わせているんですけど、それもなくなると思うと……不思議な感じですね」

「私にとって、これまでレースがあること、サーキットに行くことが日常の一部でした。例えば、4月といえば開幕戦の岡山大会でワクワクしていましたし、夏の鈴鹿大会ではレース後に花火を見たり……5月のゴールデンウィークも富士大会などお仕事のスケジュールが詰まっていたのですが、それも来年からお休みになるのと……。本当に私にとって、レースがあって、サーキットに行く生活が普通だったので、本当に『来年から土日は何をして過ごせばいいのだろう?』と、想像がつかないです」

「ずっと、がむしゃらにやってきましたが……気がついたら、残り1戦になってしまいましたね(苦笑)」

神尾がARTA GALSの一員となった2020年以降は、コロナ禍に伴う制限がかかり、ファンと交流できるイベントは全て中止となっていた。今年に入って、それが少しずつ緩和されはじめた。 「ピットウォークも復活して、ファンの人たちともだいぶ交流できるようになりました。それがすごく大きかったです。卒業を発表したのがシーズン前だったので、最初はどうなるかなというのはありましたけど、今はこうして交流できて、ピットウォークもあって、グリッドでも(制限があるけど)ファンの方が近くまで来られるようになったので、すごく良い終わり方できるなと思っています」

周りの人がSUPER GTに興味を持ってくれた7年間

スーパーGT ARTA GALS 神尾美月


2016年にレースクイーンデビューを果たした神尾は、様々なチームでレースクイーンを経験し、今年で7年目を迎える。その間、自分自身の心境変化はもちろんのこと、彼女に関わる周囲の人にも多くの影響を与えた。

「私にとって、この7年間はあっという間でした。だけど、ファンの人の子どもが、最初お会いした時は赤ちゃんだったのが、(7年経って)小学生になっているのを見ると……『私って、こんなにもの間、レースクイーンをやっていたんだ!』と思うので、そう考えると長いなと思います」

「実は、私のお母さんも最初はレースに興味がなかったんですけど、チーム監督が鈴木亜久里さんだと知って『今年は観に行く!』と言って……実家から近いオートポリス大会はグランドスタンドに観戦にきています(笑) あとは全くレースのことを知らなかったファンの人が撮影会に来てくれて、そこで興味を持ってくれて、今では毎回のようにサーキットに来てくれるファンもたくさんいます」

「そうやって、レースを知らない人の架け橋もできたから、すごいレースであり、すごいチーム(ARTA)だなと……改めて思います」

そんな神尾に、改めてSUPER GTの魅力について聞いてみた。

「レースを観に来た人が、楽しい気持ちになって帰るレースだと思います。『あぁ面白かった!』『このチームを推していて良かった!』『またさらにクルマが好きになった!』とか……人それぞれで感じることは違うと思いますが、レースを観たら(その気持ちが)なおさらに出ると思いますし、サーキットでのワクワク感を家に持って帰れる。そういう空間なのかなと思います」

「クルマのお祭りみたいな感じもあるし、全てにおいて楽しいです!」

こうして、サーキットでの楽しい時間を過ごしているうちに、サーキットにいることが当たり前となっている神尾。大好きなチームのために、新たな興味も持ち始めている。

「最近のレースクイーンさんって、卒業するとコントローラーとかチームのマネージャーになる人がすごく多いですが、その気持ちが分かります! ずっと、このチームに携わっていきたいなという気持ちがありますからね」

「来年どうするかは全く決まっていないんですけど、サーキットに来て、チームに何か携わるお仕事はやってみたいなという気持ちは正直あります」

最後まで笑顔で……

スーパーGT ARTA GALS 神尾美月


いよいよ11月5日・6日。モビリティリゾートもてぎでの最終戦が“レースクイーン神尾美月”としての最後の舞台となる。まだ実感はないというが、ひとつだけ心の中に決めていることがあるという。

「普段と変わらず、RQの業務をこなしたいです。最後だからって、泣いてしまったりするのは嫌なので、笑顔で終わりたいです。さらにチームも表彰台に上がってもらって、有終の美になればいいなと思います」

来年以降は、表舞台に出る仕事はしないという神尾。これまで応援してくれたファンには感謝の気持ちでいっぱいだという。

「ファンの皆さんって、改めてすごいなと思います。どこにても来てくれて、オートポリスだって遠いのに、わざわざ足を運んでくれる……。だから、応援してくれて、支えてくれて、本当に感謝しています。ありがとうございました! 次が最後というのが、まだ実感が湧いていないですが……最後までやり切ろうと思います!」

「本当に7年間そばにいてくれて、ありがとうございました!」

2020年にARTA GALSに加入し、いつも笑顔でメンバーのムードを盛り上げていた神尾。それでありながら、周囲に対して目が行き届き、今時分が何をすべきかを考えながらレースクイーンの業務にあたっていた姿が印象的だった。 そんな神尾が、ARTA GALSとして、7年間のレースクイーン活動の集大成。その勇姿を、ぜひ目に焼き付けてほしい。


スーパーGT ARTA グッズ

Related Products

関連商品

シェア:

Related Article

関連記事