試していないタイヤで予選アタック。ドライバーの経験で明日は5番手から。
第2戦で勝利をあげた富士スピードウェイを舞台として行われる第4戦は、真夏の富士とは思えない気温の低さで開幕した。8月の富士で22-23℃というのは非常に珍しいコンディションだ。
フリー走行ではその気温の低さに合わせるのに苦労したのか、思うようにタイムを上げる事が出来ずセッションを終える事になった。
午後の予選に向けてセットの変更やタイヤのチョイスを行ったが、チームが選択したタイヤは午前のセッションでは試していない種類のタイヤだ。このコンディションに合うかどうかは走ってみなければわからない状況だったが、Q1を担当する福住仁嶺選手はそのタイヤでの走行経験があった。
タイヤの性格を把握していた福住選手は、気温低下の影響で暖まりにくいタイヤに熱を入れてからアタックへ入って行った。
午前のセッションの結果を考えるとQ2進出は決してポジティブになれる結果ではなかったが、福住選手はトップと0.125秒差の5番手で見事Q1を突破した。このQ1はトップから最後尾まで1秒以内という熾烈な戦いだった。Q2を担当した野尻智紀選手は福住選手のフィードバックを得ながらアタックに入って行った。危なげない走りで5番手のタイムを記録し、明日は今季2勝目を目指す。
鈴木亜久里監督のコメント
「午前の結果から考えると、ドライバーとチームは良い仕事をしてくれたね。少し冒険しなければならない部分もあったけど、ドライバー達の経験に助けられたね。ここはボク達にとって得意なコースだけど、ライバルも手強いので、良い戦いをして勝ちに行きたいね」
伊与木仁 エンジニアのコメント
「今までの車のセットを継承しながら車のセットを進めて行きました。セッション序盤に色々なセットを試せたのが、予選の結果につながったと思います。予選は午前に使わなかったタイヤをQ1で投入しましたが、福住選手はそのタイヤを使った事があったのでうまくまとめてくれたと思います。Q2は大きなセット変更をする必要もなく、野尻選手はタイムを出してくれました。決勝ですが、ロングのセットの確認も出来ていて、悪く無い結果だったので、決勝もそのセットを当て込んでいければ結果がついてくると考えています」
野尻智紀選手のコメント
「なんとか福住選手がつないでくれたので、その中でベストを尽くしました。個人的に難しかったのは午前のセッションできちんとニュータイヤでアタック出来ていなかったので、どんなフィーリングなのか把握出来ていないところでした。しかし、福住選手の良いフィードバックと自分のドライビングをうまく重ね合わせる事が出来たので、今持っているパフォーマンスを出し切れたとは思っています。明日が大事なので、集中して頑張ります」
福住仁嶺選手のコメント
「フリー走行から流れを掴みながら、予選へ向けて細かいところをアジャストしていきました。結果的にタイヤチョイスもうまく行き、タイムは僅差ではありましたが、ギリギリQ1を通過する事が出来ました。野尻選手は午前中、良い状況で走れていなくて、ぶっつけ本番のようなQ2で大変ではありましたが、見事なアタックで5番手のタイムを出してくれました。このポジションからスタート出来るのは非常に楽しみですし、前回の富士ではあのような終わり方だったので、今回は良いレースをして勝ち切りたいと思います」