有終の美は飾れなかったが、来年につながる充実した内容だった
ウォームアップ走行では、いつものように決勝のセット確認を行ったが、思いのほかスピードが足りず、ドライバーとエンジニアで対策を練ってスタートを待った。
スタートドライバーは大湯都史樹選手。クリーンなスタートを切り、ポジションをキープしたまま1周目を終えた。
少しするとわずかだが、メインストレート上に雨が降り始めた。まだウェットタイヤに変更するほどの雨ではない。ウォームアップではタイムが出なかったが、対策がうまく行ったのか、ペースは非常に良い。7周目から300クラスの後方集団に追いつくが、大湯選手はここで9番手にポジションを上げる事に成功。翌周には更にポジションを8番手に上げる。10周目に前方で接触があり、7番手に順位を上げる。前車がペナルティを受け、17周目には6番手に浮上。ペースは安定していた。
22周目にルーティンのピットインを行い、野尻智紀選手に交代。13番手でコースに復帰。35周目あたりから少し雨が降り始めるが、序盤と同様、ウェットタイヤに履き替えるほどではない。41周目には6番手にポジションを戻す。43周目の1コーナーで500クラスと300クラスの車両が接触し、FCYが導入された。44周目には解除され、リスタート。52周目に雨が再度降り出したが、今度は雨量が多そうだ。ピットはウェットタイヤの準備で慌ただしくなった。ウェットタイヤに履き替えるチームが出始めたが、野尻選手はコースに留まり、ポジションをひとつ上げて、5番手を走行。58周目にトップの車両がスピン、コースアウトしてしまい、FCYが導入される。翌周にリスタートが切られた。雨でペースは落ちてしまうが、何とかコースに留まり、5位でレースを終えた。
今年は1勝し、第7戦まではチャンピオン争いに残る事が出来たが、来年は圧倒的な強さを魅せてチャンピオンを獲得したい。
鈴木亜久里監督のコメント
「ウォームアップでライバル達に比べるとタイムが遅すぎたので、落胆していたんだけど、レースまでにチームが改善してくれて、レースのラップは戦えるようにしてくれたのは嬉しかった。NSX-GT最後のレースだし、自分達は勝ちたかったので、この頑張りには感謝しかない。しかし、今回は順位を上げる事が出来たけど、あと少しチャンスが足りなかったね。でも、内容が濃くて良いレースが出来たと思う。そういった点では良かったと思っている。来年に向けてポジティブなレースだった。今年も応援して下さったファンの皆さま、チームをご支援して下さった方々に感謝申し上げます。ありがとうございました。来年は必ずチャンピオン争いの中心になり、獲得したいと思っていますので、引き続き応援のほど、宜しくお願いします」
土屋圭市アドバイザーのコメント
「ペースは良かったけど、トップグループには加われるのは難しかったね。でも、結果は望んでいる結果ではなかったけど、内容の良いレースが出来たと思います。今年も応援して下さったファンの皆さま、ありがとうございました。来年はチャンピオン争いが出来るように頑張りますので、引き続きよろしくお願いします」
田中洋克チームディレクターのコメント
「ウォームアップのタイムは良く無くて、レースは厳しくなると思っていました。しかし、スタートしたら、それほど悪く無かったですし、タイヤも持ちそうだ、とドライバーが無線で言ってきたので、ミニマムのラップで入れる事にしました。野尻のラップも悪く無かったので、トップに行けるまでのスピードはありませんでしたが、来年につながる良いレースが出来たと思っています。今年、ARTAとして戦ってきましたが、応援、ご支援して下さった皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました」
野尻智紀選手のコメント
「もう少し前の位置からスタートしたかったのですが、後方からのスタートで、やれる事は出来たレースだったと思います。最後の雨も難しい状況でしたが、何とかミスなく走り切れましたし、今日の結果が来年につながってくれると嬉しいと思っています。今年も応援、ご支援ありがとうございました」
大湯都史樹選手のコメント
「終盤、チャンピオン争い出来なかったのは悔いが残るレースになってしまいました。最後ぐらいは優勝してファンの方々やご支援して下さった皆様にお見せしたかったのですが、皆さまの期待に応えられなかったのが残念でなりません。最後追い上げのレースは出来たのですが、表彰台には及ばなかったので、今シーズンを象徴するようなレースだったと思います。来年に向けて少しでも良い姿を魅せれるように僕自身含め、努力していきたいと思いますので、引き続き応援を宜しくお願いします。今年1年ご声援下さったファンの皆さま、ありがとうございました。来年も頑張ります」