クルマのパフォーマンスは良かったので、次回こそ優勝を狙います
朝の富士スピードウェイは晴れ渡っていたが、スタート直前に雨が降り始めた。路面コンディションの変化が大きかったため、セーフティーカースタートとなった。2周の先導が終わったあと、グリーンフラッグでレースが始まった。
スタートドライバーは大湯都史樹選手。ヘアピンで1台抜かれて4番手にドロップ。次の周は更にふたつポジションを落として6番手を走行。8周目にペースが落ちた他車を1台パスして5番手に浮上。雨は止み、ドライタイヤに変える車が出始めた。大湯選手は11周目には3番手までポジションを戻す。
路面はほぼドライになったので、14周目にタイヤ交換を行った。500クラス全車がタイヤ交換を行った17周時点でポジションは6番手。
ペースは安定していたが、23周目にポジションをひとつ落としてしまう。
36周目に300クラスの車両が火災になり、ここでセーフティーカーが導入される。火災を起こした車両の回収が終わり、41周目にリスタートが切られた。42周目にひとつポジションを上げて6番手に浮上。47周目辺りからルーティンのピットインを始める車が出始め、大湯選手は50周目に3番手まで浮上。しかし、50周目あたりからわずかに雨が降り始めるが、まだウェットタイヤを履くコンディションではない。
58周目にルーティンのピットインを行い、野尻智紀選手に交代。6番手でコースに復帰。
しかし、66周目にまた300クラスの車両が火災に見舞われ、セーフティーカーが導入される。火災が大きくなり、赤旗中断となってしまう。再スタート時間がアナウンスされたが、雨が降り始め、16:30から再整列した後、セーフティーカー先導後、71周目にリスタートが切られた。
リスタートで野尻選手は前を走るチームメイトの大津選手を抜き、5番手にポジションを上げる。野尻選手は80周目の100Rで少しオーバーランしてしまい、順位をひとつ落としてしまうが、80周目に他車を抜いて、5番手に順位を戻す。
野尻選手は表彰台を狙えるペースでラップを重ねていたが、他車の執拗な幅寄せを警戒していた82周目の最終コーナーでスピンを喫してしまい、大きくポジションを落としてしまう。終盤、路面が徐々に乾き始めたので、チームはここでドライタイヤに交換してポジションアップを狙った。タイヤに熱が入るまで時間がかかったが、野尻選手は終盤、最も速いラップで周回を重ねる事に成功した。ポイント圏内までは届かなかったが、十分なパフォーマンスを発揮し、次回に期待出来るレースを展開する事が出来た。
鈴木亜久里監督のコメント
「結果は残念だったけど、表彰台に乗れる実力がある事を証明出来たレースだったと思う。コンディションも安定しない中、チームもドライバーも良い内容のレースをしてくれたので、次回の鈴鹿が楽しみだね。次は勝ちたいね」
土屋圭市アドバイザーのコメント
「結果は良いとは言えませんが、予選から決勝に通じて速さを見せてくれたので、いつでも勝てるポテンシャルはあると感じていました。結果は残念だけど、期待を持たせてくれる内容だったから、次はきちんと結果を出したいね」
田中洋克チームディレクターのコメント
「天候を上手く生かせた部分はあったと思います。スピードもありましたし、天候を味方につける事も出来ましたが、ミシュランのあのスピードについていけませんでしたし、野尻が珍しくスピンして順位を落としてしまいましたが、車のパフォーマンスは高かったので、次につながるレースが出来たと思います」
野尻智紀選手のコメント
「途中、スピンがあって、結果に大きく左右させてしまう事になってしまい反省点の多いレースでした。なかなかサイドバイサイドで行けない相手というか、並走の時に幅寄せをされたので、スペースを取ろうと思って逃げたのですが、その判断が良くなかったと思います。また次、頑張ります」
大湯都史樹選手のコメント
「硬めのタイヤを履いていたので序盤こそ抜かれてしまいましたけど、その後はペースを取り戻す事が出来ました。陽も出ていたので、路面の乾きも早くて硬めのタイヤが上手く機能しなくて序盤は苦しかったです。そのあとも戦略的には優勝も狙える良い戦略が取れていましたが、運も味方してなかった部分もあって、ポジションが安定しなくて、それを挽回しようとした野尻さに負担をかけてしまったところもあったと思います。完走は出来ましたが14位という結果で残念ではありますが、次回はウェイトも軽いので、圧倒的な速さでポールトゥウィンを狙っていきたいです」
木村偉織選手のコメント
「難しいコンディションの中で先輩方の順応力というかプロの仕事を間近で見られてとても刺激の多い週末でした。この経験をもとに、自分が参戦しているSuper Formula Lightsに生かしていきたいと思います」