2022.1.9

2022.1.9

1年目で学んだ成功と失敗~佐藤蓮2021年振り返り~

2021年、ARTAのドライバーの一員として戦った佐藤蓮。彼にとってSUPER GTデビューイヤーは、失敗も成功も経験した中身の濃い1年だった。

いきなり学んだSUPER GTの難しさ

ヨーロッパでの武者修行から帰国し、2021シーズンは高木真一とともに55号車ARTA NSX GT3をドライブすることになった佐藤蓮。シーズンのテストでは、クルマの感覚を掴んだり、細かな操作方法を覚えるところからのスタートだったが、徐々に慣れていき、4月の開幕戦岡山に臨んだ。

しかし、そう簡単に全てを習得できるほど、SUPER GTというレースは甘くない。予選では、コンディションの変化に対応することができず、不本意な結果となってしまった。

気を取り直して決勝に臨むも、レース終盤のバトルで無理に相手を追い抜こうとしてしまい接触。相手のマシンをスピンさせてしまった。55号車もダメージを受けピットイン。チェッカーを受けることなくレースを終えた。

「ちょっと焦ってしまったところがあったので……そこは反省しなければいけません」

ペース的には佐藤蓮の方が速かったが、コースが狭かったこともあり、確実なチャンスを見出すことができなかった。そこで、勝負を焦ってしまっての結果だった。

また、SUPER GTでは1台のマシンを2人のドライバーで交代してレースをするという特徴がある。つまり、自分の走り次第では、パートナーの結果にも大きく影響を与えるのだ。

それを痛感したのが、第6戦オートポリス。土曜日朝の公式練習で佐藤蓮がクラッシュしてしまい、チームは緊急で修復作業を余儀なくされた。メカニックたちの懸命な作業で、予選出走には間に合ったが、マシンのセッティングなどが全くてきていなかったため、Q1で脱落。パートナーの高木真一は予選日に1周もすることができなかった。

改めて、ひとつのミスで周囲に大きな迷惑をかけてしまうことを知った佐藤蓮。その分、自分が挽回をしなければいけないと、決勝では最後まで諦めない走りを披露した。

随所で魅せた“ライバルを脅かす速さ”

どうしても、失敗をしたり、結果が良くなかったレースが目につきがちだが、佐藤蓮は周囲も驚くほどの速さを、いくつかのレースでみせた。

そのひとつが、8月に鈴鹿サーキットで行われた第3戦だ。予選では苦戦を強いられQ1敗退。22番手と後方グリッドからのスタートとなり、ポイント圏内まで挽回するのは難しいのではないかと思われていた。

実際に佐藤蓮がマシンに乗り込んだ時点では、22番手だったが、そこから前のマシンを次々と追い抜いていく走りを披露。7位までポジションを上げてチェッカーを受け、貴重なポイントを獲得した。

佐藤蓮がピットに戻ると、鈴木亜久里総監督、土屋圭市エグゼクティブアドバイザー、そしてパートナーの高木真一をはじめ、多くのスタッフが笑顔で出迎えた。これには佐藤蓮も“やっとチームの役に立てた”と安堵の表情をみせた。

この他にも、第7戦もてぎではレース終盤まで粘り強くトップに食らいつく走りをみせ、2位でフィニッシュ。本人は悔し涙を流していたが、周囲は彼の頑張りを讃えていた。

勢いに乗ってきた最終戦での、大きな失敗

時折見せる鋭い速さに、同じクラスのライバルたちも警戒感を強めていた。最終戦ではチャンピオン獲得の可能性もあり、勢いに乗っていた佐藤蓮だが、それが決勝レースでは裏目に出てしまった。

GT300クラスでチャンピオンを争う61号車スバルBRZを追い抜こうとした際に、GT500クラスでチャンピオンに王手をかけていた1号車ホンダNSX-GTと接触。その瞬間に55号車のチャンピオン獲得の可能性は途絶え、相手の1号車も年間王者を逃す結果となってしまった。

当日はもちろん、その後も大きく反省をしていた佐藤蓮。最後の最後で“レースの難しさ”を学んでいた。

「チャンピオンを獲るためには、速さだけではなくて強くならないといけない……。速さだけではレースに勝てないことを学びました」

後味の悪い形でシーズンを終えてしまった佐藤蓮。土屋圭市エグゼクティブアドバイザーも「蓮はテンパってしまうところがあるけど、速さはある」と、彼のスピードに関しては高く評価していた。

その速さをどうコントロールし、勝利につなげていくか……。これが佐藤蓮に課された課題となった。これをどう克服し、成長につなげていくのか。今後の飛躍に期待だ。

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