佐藤蓮のSUPER GT初挑戦記vol.2「着実に手応えをつかみ、いざ開幕戦へ!」 | ARTA

2021.4.5

2021.4.5

佐藤蓮のSUPER GT初挑戦記vol.2「着実に手応えをつかみ、いざ開幕戦へ!」

2021年のSUPER GTで、55号車ARTA NSX GT3から同シリーズデビューを果たすことになった佐藤蓮。戸惑いだらけだった岡山公式テストとは打って変わり、富士スピードウェイで3月27日~28日に行われた2回目の公式テストで、確実に自信と手応えをつかんでいる様子だった。

とにかく走り込み、マシンと混走の理解を深める

2日目は雨交じりの天候となったが、大半のセッションがドライコンディションとなり、各チームとも開幕戦に向けて積極的にデータ収集を行っていた。

55号車は佐藤に少しでも経験を積ませるために、彼の乗車時間を長くとり、1日目は77周を走破。2日目は不安定な天候も影響し、35周に止まったが、2日間合計で500kmレース1回分に相当する112周を走り込み、ベストタイムでもパートナーの高木真一と遜色ないタイムを記録した。

テストを終え、その感想を聞きに行くと、そこには岡山テストとは 違う、何か手応えをつかんだような、自信に満ちた佐藤の姿があった。

「今回はロングランとかタイヤテストとかも色々やらせてもらいました。富士大会は5月のゴールデンウィークの開催となりますが、出だしから良い感触でいけるんじゃないかと思っているので、非常に良いテストになったと思います」

岡山テストの時は、マシンの操作関係やGT500との混走、さらにピットストップ時に正確に停車させることなど、色々と難しさを感じていた佐藤だったが、それらも富士テストを経験したことで、かなり改善されてきている。しかし、本人は今回の結果で満足することなく「まだまだ詰めていける」と意欲を見せていた。

「だいぶ慣れてきました。この調子ならレースでも問題なくいけるかなと思います。富士のテストでもたくさん走らせてもらって、NSX GT3のクルマにもだいぶアジャストできているのかなと思います」

「トラフィックの部分でも、うまい譲り方というのはだいぶ分かってきました。ここも、レースでは工夫すればタイムを削れる場所になってくるので、もう少しうまくなれればなと思っています。

「テストではタイムで目立っているという部分はないですけど、とにかくレースで勝てるようにというイメージを持って、クルマを作り上げています。そういう意味で、レースに対してはそんなに懸念材料はないですね」

周囲からのアドバイスも積極的に吸収

この僅か数週間の中でも確実な成長がみられた佐藤。だが、もっと自身のドライビングを改善して行くための“勉強”は欠かさず続けており、周囲からのアドバイスも積極的に取り入れている。

「SUPER GTは2人のドライバーで一緒に戦うんですが、色んな部分で評価をしていかなければいけないことがあります。そこでドライバーが機械のように一定のドライビングをしつづけて、より強くて速いクルマを作っていく力が大事だと教わっています。そういったところも、もう少し伸ばしていきたいなと思います」

いざ開幕戦へ……優勝も重要だけど、もっと大事なこともある

いよいよ、4月10日~11日に岡山国際サーキットで2021シーズンの開幕戦を迎え、佐藤にとっては初陣となる。今年もGT300クラスには手強いライバルが多いが、富士テストの結果をみると55号車の調子も上々で、十分にトップ争いに加われそうなポテンシャルを秘めている。

もちろん、開幕戦から見せ場を作りたいところだが、佐藤はしっかりと“シリーズチャンピオン”を見据えて、冷静な考えも忘れていなかった。

「開幕戦では、もちろん優勝したいと思っていますが、あくまで(重要なのは)シリーズ戦です。取りこぼしがないように確実に1戦1戦臨んでいきたいなと思っています」

19歳のルーキーが、オレンジ色のARTA NSX GT3でどんな勇姿を披露してくれるか……岡山国際サーキットでの開幕戦が、非常に楽しみだ。

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