近年、モータースポーツに関わる専門学校の学生さんが、現場実習をしている光景を目にします。自分の描いた将来のビジョン、夢を実現する為に学び舎を選び、その夢に向かって学生のうちから取り組む真摯な姿はとても応援したくなります。わがチームにもそんな素晴らしい青年がおりますので、紹介しましょう。頑張るメカニック一年生!55号車の伊藤匡祐(きょうすけ)さんです。
高校時代から、クルマの整備の勉強もされていたそうですが、もともとモータースポーツが大好きだったとのこと。インターネットで、いろいろ探しているうちに、ご出身の東京工科専門学校に入学されました。たくさんの業界関係者を輩出するこちらの学校には、現役のベテランF1メカニックさんもいらっしゃいます。きっと刺激を受けたに違いありません。
まだ学生だった昨年は、インターンとして一年間、スーパーGTに帯同しました。その際、8号車で学んだそうですよ。傍から見ればとても華やか業界ではありますが、まずドライバーの命を預かるという大事な使命のもとで仕事をしている為、いつでも本番の非常に厳しい世界でもあります。学生さんの立場で来られても、きっとそんな光景を目の当たりにしたことがあるかもしれません。
現場を一年学んでも、必ずしもわれわれの仲間になってくれるわけではありませんが、彼は業界に飛び込んできてくれ、かつ、われわれのチームに入ってくれました。サラリーマンというより職人と言って良いメカニック仕事。ピット作業にしろ、仕事の進め方、個性も出ます。
いつも怒られてばかりという伊藤さん、しかし反面、55号車の先輩たちは仕事をやさしく教えてくれますと、笑顔で話してくれました。そうです、そこなんです。先輩たちもきっと厳しい業界をわかって同じ志を持って入ったはずです。ガレージは、若いメカニックたちが多く、“自分との距離が近い”と話してくれました。とても頼もしくのびのびとやっている証拠ですね。
今年はコロナ禍で、思うように身動きの取れない業界ですが、デビューイヤーとなった今年はピット作業では、ドライバーのサポートを担当されているそうです。テレビに映っちゃう?ご両親もサーキットに足を運んでくださったとか。まだスタート地点に立ったばかり。これからは、スキルを磨きつつ勝利をたくさん分かち合って行きたいですね!