佐藤蓮のSUPER GT初挑戦記「初テストで感じた“GTの難しさ”」vol.1 | ARTA
佐藤蓮

2021.3.24

2021.3.24

佐藤蓮のSUPER GT初挑戦記「初テストで感じた“GTの難しさ”」vol.1

2021年のSUPER GTで、55号車ARTA NSX GT3から同シリーズデビューを果たすことになった佐藤蓮。3月6日~7日に、開幕戦の舞台となる岡山国際サーキットで、公式テストに臨んだ。

安定した走りでルーキーテストは難なくクリア

今までSUPER GTで使用されている“ツーリングカー”の乗車経験がなかった佐藤は、公式テストの前に富士スピードウェイでテスト走行を行ったが、GTマシン初走行とは思えないくらい、安定した走りをみせた。

佐藤はGT300ルーキーということで、GTアソシエイションが定める規定に則り、ルーキーテストというものを実施しなければならない。一定の周回数を連続して走行し、安定したラップタイムが刻めているか、周りの車両に迷惑をかける走りをしていないか、などがチェックされる。

早速、1日目のセッションでルーキーテストを実施し、難なくクリアした佐藤。「(ルーキーテスト)緊張とかは全くなかったです。自分の走行距離を稼ぐという点では、ルーキーテストも良い機会なので、特に問題なく連続走行もクリアしました」と笑顔で振り返っていた。

だが、ルーキードライバーにとってSUPER GTというのは、そんなに生易しいものではない。プライベートのテスト走行とは違い、公式テストではシリーズに参戦するGT500・GT300の車両全てが参加するため、実際のレースと同じようなコンディションでテストを進めていくことになる。

感じたSUPER GTの難しさ

「マシン自体にはけっこう早めに慣れることができましたけど、混走が初めてだったので、GT500の車両が後ろからくる中で、いかにスムーズに譲るかという部分が難しいなと思いました。でも、最後の方はだいぶ慣れてきて、譲るポイントの確認とか、実際のレースのことも意識しながら走行していました。でも、(混走は)けっこう難しいですね」

特に岡山国際サーキットはコース幅も狭く、混走状態の時にGT500クラスの車両を先に行かせるのも至難の技だ。それ以外の部分でも、佐藤にとっては今回のテストは初めてのこと尽くし。改めてSUPER GTの難しさを痛感している様子だった。

「NSX GT3はウインカーも(ドライバーから)少し遠い位置にあるので、それにも慣れないといけなかったですし、無線のやり取りでも、コーナーでGがかかりながら話さなければいけない場面もありました。そこも慣れが必要かなと思います」

「ピットストップの停止位置にピタッと止めるのも難しいなと感じています。今回も何度か練習をして、最初は枠からはみ出したりしてしまっていたので、そこも改善が必要ですね」

しかし、世界を目指す19歳は、こんなことでは挫けない。2日間を通して得られたデータを振り返るとともに、自身のドライビングの面での課題もしっかりと見つけていた。

「(これから改善していきたい点)ドライビングもそうですけど、レースに向けたマシンのセットアップとか、いかに状況に合わせ込んで作っていけるかというのを、みんなで協力して、開幕を迎えたいと思います」

次回は富士スピードウェイで2度目の公式テストが実施される。岡山での初体験をどう繋げてくるのか、そしてシーズン開幕に向けてどのように仕上げていくのか……佐藤蓮のSUPER GT初挑戦が、いよいよ始まった。

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