VIGALEのかっこよさがGR86ファンにも支持された本当の理由

VIGALEのかっこよさがGR86ファンにも支持された本当の理由

2023.3.24


ARTA MECHACNICSの製作するカスタムカー、第二弾のベース車両として選んだのはトヨタ GR86。国産ピュアスポーツとして素性がよく、カスタマイズのベースとしては最適なクルマだ。

しかし、最適であるが故、既にさまざまなスタイリングが出回っており、新たな形で提案をするのは容易ではない。今回はVIGALEがなぜGR86ファンにとって新しく映り、支持を集めたのか紹介しよう。

VIGALEのベース車両として国産スポーツカーGR86を選択

GR86カスタムスポーツカー VIGALE ヴィゲイル

ARTA MECHANICSのカスタムカー第2弾のVIGALEのベース車両としてGR86を選んだ理由は、単にコンセプトが国産スポーツカーだからということだけではない。なぜベース車両にGR86を選んだのか?その理由を紹介しよう。

東京オートサロン2023で語られたVIGALE誕生秘話はこちら

日本の自動車業界へのリスペクト

ARTA MECHANICSがHONDA NSXに続き、トヨタ GR86をカスタムカー第2弾のベース車両に選んだ理由は、国内メーカーが自動車業界を牽引してきたことへのリスペクトからだ。
ARTAの母体となるAUTOBACSがカー用品店として成長できたのは、日本の自動車産業が発展したことにほかならない。また、国内で自動車文化が成熟しているからこそ、ARTA MECHANICSとして先鋭的なカスタムカーに挑戦できるのだ。

国産車をカスタマイズするというコンセプトのARTA MECHANICSとしては、国内屈指のブランドであるトヨタの車両をカスタマイズすることでメーカーへのリスペクトを示しつつ、日本のスポーツカー市場に新しい文化を生み出したいという思惑がある。

GR86は国産車のカスタムベースとしても人気

GR86をVIGALEのベースとして選んだのは、ARTA MECHANICSの挑戦でもある。GR86は多くのユーザーが自分のスタイルでカスタマイズを楽しんでいるモデルの一つだ。エアロパーツも豊富に発売されていて、個人レベルでも手軽に純正からの変更を楽しめる。また、“GR”というブランドそのものがトヨタのスポーツブランドで、GR86はいわばトヨタ純正のカスタマイズが施されたモデルだ。

フロントバンパーなどのエアロパーツの交換やGTウイングの追加、ローダウン、マフラーといった定番メニューを中心に多くのメーカーやショップがカスタマイズを提案している。

すでにカスタムカーとして完成の域にあり、さらにユーザーが自由に手を加えられるGR86だからこそ、長年レースを戦ってクルマを知り尽くしているARTA MECHANICSが新たな提案をする意義があると考えた。

東京オートサロンでVIGALEが高い支持を集めた理由

GR86カスタムスポーツカー VIGALE ヴィゲイル

GR86はピュアスポーツという特性上、もともと万人受けするクルマではなくこだわりをもったユーザーが多い。しかし、東京オートサロン2023で発表されたVIGALEは、多くのスポーツカーファンのみならずGR86に既に乗っているオーナーからも高い注目を集めた。

GR86ファンに支持された理由は、VIGALEの設計思想が多くのカスタムカーと一線を画していたことにほかならない。ファンを唸らせたARTA MECHANICSのカスタマイズの本質をお伝えしよう。

VIGALEのボディワークについて詳しくはこちら

カスタマイズによってGR86のかっこよさをスポイルすることもある

国産スポーツカーとして人気の高い、GR86のカスタマイズメニューは豊富だ。一方で、選択肢が多いことで組み合わせによっては、GR86の本来の性能やコンセプトをスポイルすることになりかねなない。

一般的にエアロパーツと足回りといった機能の違うパーツのメーカーは異なるうえ、多くの場合は全体のバランスを考えた設計ではなく純正と「交換」するだけとなっている。メーカーの違うパーツをバランスよく組み込むには、経験豊富な専門ショップでの施工が必要だ。

ARTA MECHANICSのリフィニッシュするという考え方

ARTA MECHANICSのカスタムカーは、単なるパーツ交換ではなく自動車メーカーの作り上げたクルマを、新しいコンセプトで“リフィニッシュ”するという考え方のもと設計している。

スポーツカーのカスタマイズする定石は、性能向上や見た目の個性を追求して、多くのパーツから選んで装着していくことだ。しかし、華美なエアロや性能だけを高めたパーツを装着すればするほど、最終的なコンセプトが不明瞭になってしまう。

たとえば、VIGALEのテーマである“日本刀”はボディの一部分で表現されているわけではない。前後フェンダーは“TOUGH”というコンセプトで力強く張り出したデザインとする一方、フロントノーズやテールをシンプルで鋭利な形状とすることにより、ボディ全体で“日本刀”のもつ力強さと鋭さを表現している。

大人が乗れるかっこいいGR86に仕上げる

1つのコンセプトに基づいてデザインされた統一感あるスタイリング同様、足回りやマフラーもエグゼクティブ層が乗るスポーツカーに相応しい設計となっている。

ピュアスポーツとしてもともと高い性能を誇るGR86をカスタマイズする際は、走行性能をより高めるために、ローダウンにしつつ性能を追求した抜けのいいマフラーを選択することが多い。しかし、車高が低すぎたり、マフラーの音量が大き過ぎたりすると乗りにくくなるばかりか、悪目立ちしてしまう。

VIGALEでは、性能と洗練されたスタイリングを高次元で両立する特別仕様のパーツを採用。いずれも国産アフターパーツメーカーの老舗HKS製のものをベースに、何度もテストを重ねてVIGALE専用の仕様を確立した。

国産スポーツカーGR86の新しいスタイリングが受け入れられた

GR86カスタムスポーツカー VIGALE ヴィゲイル

VIGALEのフロントバンパーだけを見ると、ほかのアフターパーツメーカーのものに比べておとなしいデザインだと感じる方もいるだろう。フロントフェンダーやリアフェンダーも、確かに力強く張り出しているが過度な装飾はない。しかし、車両全体を眺めるとノーマル車両とはまったく異なる圧倒的な高級感と静かな個性を放つ。

パーツ1つずつの交換ではなく、全体のバランスをとってベース車両のもつ誰も知らなかった魅力を引き出したことがファンの支持を集めた要因だろう。カスタマイズ市場が活発なGR86だからこそ、ほかのカスタムカーとの違いが浮き彫りになった形だ。

スポーツカーとしての性能を追求するだけでも、見た目を派手にして個性を主張だけでもなく、メーカーとは別のコンセプトで新たな調和を生み出して“リフィニッシュ”する。ARTA MECHANICSは今後も妥協することなく、ベース車両のファンを唸らせるカスタムカーを生み出していく。

ArtaArta mechanics